ハシブトガラスのカア
街でよく聞く声
澄んだ「カー」はハシブトガラスです。濁った「ガー」を出すのはハシボソガラスで、日本野鳥の会が記すこの声の差は、額の形やくちばしの太さと重なります。
聞きなし
日本野鳥の会が「カー、カー」と澄んだ声と当てている音です。のどが開いたような丸い響きがあり、濁りやかすれが入りません。二声から四声を一組にして、間を置いて繰り返す出方が多く、一声ずつの長さもそろいます。ハシブトガラスの声は全体に低めで太く響くので、澄んでいるのに軽くは聞こえない、という覚え方ができます。
さえずりか地鳴きか
カラスの仲間に、節をつけて続けるさえずりはありません。キジバトのデッデポッポーのような決まった型の繰り返しも持たず、一声の長さ・回数・間隔を変えることで用を足します。「カー」のほかにのどを鳴らす「クワックワッ」や短く詰まった「カッ」があり、警戒・集合・威嚇で使い分けられます。同じ「カー」でも、間が詰まって連続すれば緊張が高いと読めるので、声の型より並び方を聞きます。
いつ・どこから聞こえるか
一年中、朝と日暮れに多く聞こえます。ハシブトは人家やビルの多い所、大木のある公園に多く、ハシボソガラスは農耕地や河川敷といった開けた場所を好むため、聞こえた場所そのものが手がかりになります。日暮れには集団ねぐらへ向かう群れが同じ方向へ流れ、声が重なります。巣立ちの時期にあたる初夏は、家族の声が一日中続くことがあります。
似た声との違い
ハシボソガラスの「ガー、ガー」は濁ってかすれ、一声ずつが平たく響きます。鳴くときに頭を突き出し、お辞儀のように上下させる動きが目立つのもハシボソのほうで、声の濁りと姿勢が対で覚えられます。図鑑に載る全長はハシブトが約57cm、ハシボソが約50cm(くちばしの先から尾の先までを直線で測った値)で、額の出っぱりと嘴の太さも違います。並べた見分けはハシブトガラスとハシボソガラスにあります。
この声で何をしているか
仲間との連絡と、危険を知らせる合図が中心です。近くの個体が次々に応じて声が広がることがあり、人や猫、トビのような相手に向けて集まる場面でも出ます。巣立ちの前後に人へ強く鳴くのはヒナが近くにいることへの反応で、見上げて立ち止まるほど声は強まります。個人を覚えて仕返しをするという受け取りはカラスは恨みを覚えて襲うで扱っています。