手から食べさせる
呼び寄せる
手のひらの餌に止まらせないのが線です。日本野鳥の会は餌づけによる誘引をやめるよう求めており、手に乗るまで慣れた個体は人の側が作った状態です。
どういう行為か
手のひらや指先に食べ物をのせ、小鳥が乗るまで待つ行為です。しゃがんで手を差し出す、帽子やレンズの上に置くのも同じ枠に入ります。餌でおびき寄せるが地面や切り株へ置く誘引を扱うのに対し、こちらは人の体そのものが止まり木になるところまで進んだ状態を指します。公園のヤマガラやスズメで起きやすく、一度で覚える個体もいるため、試したのが一回かどうかは境目になりません。
法や指針での位置づけ
手からの給餌そのものを名指しで禁じる国の条文はありません。鳥獣保護管理法第8条が対象にするのは捕獲等と鳥類の卵の採取等で、手に乗せただけでは届きません。線を引いているのは日本野鳥の会の野鳥撮影ガイドラインで、公園や河川敷等の公共の場での餌づけによる誘引をやめるよう求めています。加えて給餌を制限する自治体の条例や都市公園の禁止行為に触れる場合があり、同じ動作でも場所で扱いが変わります。
なぜ問題になるか
残るのは、警戒の距離が消えた一羽です。手に乗るところまで縮んだ個体は、寄る相手を選び分けられません。食べ物を持たない通行人にも、放し飼いの猫にも、路上の車にも同じ距離まで近づきます。日本野鳥の会のフィールドマナーが人と鳥の距離を保つよう説くのはここで、距離は種ではなく経験で決まるため、あとから覚え直させることはできません。やめたあとも、縮んだ距離はその個体に残ります。
代わりにどうするか
手を出さず、鳥のほうが選ぶ距離に立ちます。止まる姿を撮りたいなら、実のついた木や水の落ち口のように、鳥が自分で通う場所へ先に入って待ちます。何も持っていないのに近寄ってくる個体に会ったときは、こちらが寄せたのではなく以前の給餌が残した習慣と読み、餌を出さずに離れます。同じ場所へ何度も通い、季節の移りを書き留めるほうが、あとから読み返せる記録になります。
相談する窓口
給餌を条例で制限している自治体があるため、まず区市町村の環境担当に線の有無を確かめます。公園や河川敷で続いている場面を見たのなら、掲示や巡回の手を持つ公園管理事務所や河川管理者のほうが早く動けます。相手が常連であるほど、居合わせた人が直接止めても収まりません。距離の取り方そのもので迷うなら、日本野鳥の会の支部が開く探鳥会に出て、その場で教わるのが近道です。