餌でおびき寄せる

呼び寄せる

撮るために餌で寄せるのは、線の外です。日本野鳥の会のガイドラインⅠ④は、公園や河川敷等の公共の場、寺社境内等団体の所有地での誘引をやめるよう求めています。

どういう行為か

観察や撮影のために、食べ物を置いて鳥を近くへ寄せる行為です。地面に散らす、切り株に載せる、水面へ投げるのはどれも同じ扱いになります。置いた本人が撮り終えたあとも、鳥はそこへ通い続けるため、一回きりのつもりでも一回では終わりません。この本は何をどう置くかを書きません。街での日常的な餌やりはハトやカモへの餌やりが扱い、ここは撮る・見るための誘引に限ります。

法や指針での位置づけ

日本野鳥の会のガイドラインⅠ④が「公園や河川敷等の公共の場、寺社境内等団体の所有地での餌づけによる誘引はやめましょう」と示しています。鳥獣保護管理法の禁止ではありませんが、場所の側の規則で禁じられていることが多い項目です。都市公園の条例、河川敷の利用ルール、寺社の掲示がそれにあたり、私有地か公共の場かで話が変わります。同会の野鳥撮影のマナーでも、餌付けと環境改変を行わないことが挙げられています。

なぜ問題になるか

寄せたあとに残るものが問題です。人を恐れなくなった個体は、何も持たない人にも寄り、車道や人家へ入り込みます。置いた一点に集まるほど同じ場所で多くの個体が接触することになり、環境省の資料が挙げるように野生の鳥は体内や羽毛などに細菌や寄生虫などの病原体があることがある以上、集めること自体が広がる条件を作ります。撮り手が去っても、通い続ける習慣と近隣の苦情はその場所に残ります。

代わりにどうするか

寄せずに、鳥が来る場所のほうで待つのが代わりです。実のついた木、水の落ち口、風の当たらない斜面のように餌が自然にある場所は季節ごとに決まっており、公園の池とお堀や河川敷のヨシ原と草地は通う先として選べます。同じ時間に同じ場所へ何度も足を運ぶほうが、寄せた一枚より、その鳥の暮らしに近い記録になります。待ち時間を短くする方向へは手を出しません。

相談する窓口

置かれている餌を見つけたときは、その場所の管理者へ伝えるのが筋です。都市公園なら公園管理事務所、河川敷なら河川管理者、寺社の境内なら社務所や寺務所が判断を持ちます。置いた人へ直接注意するより、管理者から掲示を出してもらうほうが収まります。誘引が続いて鳥が集まりすぎている場合は、都道府県の鳥獣行政担当が相談先になります。