住宅地の路地と庭先

街の中

路地は、高さの帯で顔ぶれが分かれます。電線と屋根、軒先、生垣と庭木の順に目を移すだけで、毎日通る道が四つの層に分かれて見えてきます。

どんな場所か

高さの帯で顔ぶれが分かれる場所です。いちばん上に電線と屋根、その下に軒先と雨どい、目の高さに生垣と庭木、足元に路面と側溝という順で並び、上から順に目を下ろしていくと、同じ路地が四つの層に見えてきます。スズメは瓦の隙間や換気口の奥を使い、ハクセキレイは路面と駐車場の舗装を歩きます。見てよい範囲は道路の上だけで、塀の内側は他人の敷地です。

季節ごとに何がいるか

通年で会えるのはスズメ・ムクドリ・キジバト・ハクセキレイの四種で、そこに季節の顔ぶれが乗ります。夏は軒先にツバメが入り、秋の彼岸のころから春先まではジョウビタキが塀や物干し竿に、メジロが庭木の花に来ます。全国鳥類繁殖分布調査(2016-2021年、鳥類繁殖分布調査会)は、ツバメやムクドリなど開けた環境を使う種の総個体数が前回調査より減ったと報告しており、去年いた鳥が今年もいるとは限りません。

歩く時間帯

日の出から2時間ほどがよく動く時間で、通勤と通学の人が出る前に一往復すると、路地が静かなまま見られます。屋根の上からキジバトのデッデポッポーが響き、軒先では巣材をくわえた出入りが始まるのもこの時間帯です。夕方は日没の30分ほど前から電線に群れが並び、ねぐらへ向かう流れができます。その行き先が街路樹の並木道です。昼前後は人と車が増え、鳥は屋根より上へ退きます。

足元と服装

生活道路なので装備は要りませんが、歩道の無い道で立ち止まることが多いため、曲がり角と門の前を外して、塀ぎわに寄って立ちます。舗装の上だけを歩くので、靴は都市公園の芝生と広場と同じもので足ります。双眼鏡は首から下げず、たすきがけか短いストラップにすると、下を向いたときに壁へぶつけません。夕方から回るなら明るい色の上着か反射材を足します。

立ち入りの線

塀の内側は他人の敷地です。庭やベランダ、窓の側へレンズを向けない、門から中をのぞかないの二つが、この場所でいちばん重い線になります。軒先に巣があっても見上げるのは道路の上から短時間にとどめ、立ち止まって待つのは巣に近寄るで扱う行為に入ります。住人に声をかけられたら、何を見ているかを短く伝えて場所を移ります。番地の分かる書き方で記録を残さないのも同じ理由です。