水彩
絵の具・描画材
紙の白を残して光をつくる絵の具
どんな道具か
顔料をアラビアゴムで練った絵の具。水で薄めるほど下の色や紙が透ける。透明水彩ではいちばん明るい場所を塗らずに残すのが基本で、白い絵の具で明るくするのではなく、塗らないことで光をつくる。顔料の比率を上げ、白い体質顔料を加えた不透明タイプ(ガッシュ)は下を覆い隠せるので、同じ水彩でも使い方が逆になる。
選び方
絵の具は12色前後のセットで足りる。チューブ入りで1000〜6000円と幅がある。ただし水彩は紙で決まる画材で、絵の具より先に水彩紙を一段いいものにしたほうが結果が変わる。絵筆は水をよく含む丸筆が1本あれば始められる。
使い方のコツ
明るいほうから暗いほうへ進む。一度置いた濃い色は消せないので、後戻りできる順番で塗る。乾く前に隣へ色を置けばにじんで溶け合い、乾いてから重ねれば境目が残る。この二つの使い分けがほぼすべてで、塗り残した紙の白がそのままハイライトとして働く。
手入れ・注意
パレットで乾いた絵の具は水で戻せる。ただし放っておくとカビや変色が出るので、使い終わりに一度水を含ませて拭く。作品は光に弱く、直射日光の当たる壁では退色する。紙は湿気で波打つので、平らに寝かせて保管する。
解説動画: 透明水彩の土台になる平塗り・グラデーション・重ね塗り/Watercolor by Shibasaki
何を基本として教えているか: 透明水彩でここだけは押さえるべきものとして、平らに塗るフラット塗り、少しずつ色が移るグラデーション、乾かしてから色を乗せる重ね塗りの三つを挙げている。この三つで画面の大きなところを決めてから細部を描き込むのがいちばん有効な手順だとして、風景を一枚仕上げながら順に見せていく。
塗る前に用意するもの: たっぷりの水と、混色する場所の広いパレット、それに二十号の太い丸筆を用意するよう言っている。絵の具に直接水を持っていくのではなく、先に水を出しておいてから濃いめにたっぷり溶く。細い筆に持ち替えなくても太い筆のまま細い線は引けると、その場で実演している。
水に任せて広げる: 筆にとった絵の具はいきなり塗り広げず、まず紙の上に置いてから、そっと広げると説明している。紙を少し斜めに立てかけておくと絵の具が自分で下へ降りていき、下側に水を足したり濃い色を置いたりするだけでグラデーションになる。混ぜるのは筆の仕事ではなく水の仕事だ、という見方をとっている。
乾かしてから重ねる: 重ね塗りは完全に乾かしてからで、途中はドライヤーを当てている。同じ色を重ねれば下の層が透けたまま一段暗くなり、青の上に黄を重ねれば緑に見える。この下の色が透けて見えることこそ透明水彩という言葉の意味だとして、混色をパレットではなく紙の上で起こす例として見せている。