アクリル絵の具

絵の具・描画材

水で描けて、乾けば水に強い絵の具

どんな道具か

顔料をアクリル樹脂のエマルションで練った絵の具。水性のものが市販されたのは1950年代半ばで、画材としてはかなり新しい。水で薄めて描けるのに乾くと耐水性の膜になるのが最大の性質で、薄く延ばせば水彩のように透け、盛れば油彩のように厚みも出る。紙・板・カンヴァス・布と下地を選ばない。

選び方

同じアクリルでも、ツヤの出る液状タイプとマットに乾くアクリルガッシュで仕上がりが違う。ムラなく平らに塗りたいならガッシュ。12色セットなら1500〜3000円から始められる。白だけは大きいチューブで買うといい。混色に使うので、いちばん早く減るのが白になる。

使い方のコツ

薄塗りなら10〜30分で乾き、その上から重ねられる。この速さは利点であり難点でもあって、パレットの上でも乾く。少量ずつ出す、霧吹きで湿らせる、遅乾メディウムを混ぜる、のどれかで持たせる。ぼかすなら乾ききる前に手早く動かす。

手入れ・注意

乾いた絵の具は水では戻らない。絵筆に付けたまま置くと根元で固まって二度と戻らないので、休憩のたびに洗う。パレットも服も、乾く前でなければ落ちない。塗った面は完全に硬化するまで数日かかるので、重ねて保管するのはそのあとにする。

解説動画: アクリル絵の具でできる四通りの塗り方を試す/岡部遼太郎 / アクリル画家

一本の絵の具でどこまで振れるか: アクリル絵の具は使い方の幅が広いぶん難しいところもあるとして、水彩風のにじみ、平らに置くフラット、厚く盛る厚塗り、下が透ける透明塗りの四つを実際に塗って見せている。同じ絵の具のまま水彩風にも油彩風にも寄せられるのが軸で、支持体も紙とカンヴァスに塗り分けている。

にじみで塗る: にじみを出すときは、先に紙の全体を刷毛で濡らしておくときれいに出ると説明している。絵の具のほうも多めの水で溶き、塗るというより画面に落とすように置くと、ぼけて広がる。色は一つより複数のほうが面白いとして、青のそばに黄をたらし、触れたところが緑に変わる様子を見せている。

平らに塗る、厚く盛る: フラットに塗るときは水をほとんど使わず、絵の具を多めに筆にとる。ムラが目立たないので、細かい描き込みや平面的な画風に向くとしている。厚塗りにはジェルメディウムを混ぜて固さを出し、ナイフでムラなく練ってから盛る。厚みが出るぶん紙よりカンヴァスや板のほうが安心で、硬めの筆だと筆あとも残せるという。

下を透かせる: 同じジェルメディウムは透明度も上げるので、混ぜてから重ねると先に塗った層が透けて見えると説明している。絵の具自体も不透明の色より透明度の高い色を選ぶほうが効きがよく、厚みを変えるだけでも見え方が変わる。ナイフで厚く置いた透明の絵の具も、また別の表情になるとしている。