水槽ひとつで家族の野菜をまかなえる?

収量と成長の説

判定: 測った資料が見当たらない

家庭規模で何割まかなえたかを測った資料が見当たりません。必要な面積は餌の量から概算できますが、食卓の自給率として測った例は確認できていません。

言われていること

「ベランダの水槽ひとつで、家族が食べる葉物はまかなえる」という誘い方をよく見ます。魚を飼うついでに野菜がついてくるという言い回しで語られ、何人分なのか、何割なのかは書かれません。かわりに置かれるのは写真に写る緑の量で、水槽の大きさも作の回数も前提から抜けています。家族の人数も、季節による差も、そこには出てきません。

誰が、何を、どう測ったか

探したのは、家庭に置いた系で何をどれだけ収穫し、食卓の何割になったかを記録した資料です。見つかりませんでした。Love ら 2014 は809人への国際アンケートですが、聞いたのは系の作りと動機と経験年数で、収穫量は数えていません。ハワイの家庭に置いた研究(10家族21人・3か月)が記録したのも、参加の度合いのほうです。

測るとどうか

出せるのは面積の桁までです。FAO技術報告589の設計表では、1000 Lの水槽で葉物4 m²、3000 Lなら12 m²が対応します。1作は施設のレタスで平均40日(Gargaro ら 2023)。ここから先は、家庭で収穫を量った公開データが無いので進めません。魚のほうも匹数と重さしか出ていません。

どう言えば正しいか

何m²ぶんの葉物かまでなら、餌の量から出せます。その先の家族の何割かは、自分で量って初めて言えることです。果菜は同じ面積でも餌がもっと要り(魚と野菜のつり合いは餌の量で決まる?)、冬に水温が下がれば餌も収穫も落ちます。まずリーフレタスの1作を量るのが近道です。1株の重さと株数が分かれば、床を増やしたときの見当もつきます。