根の浸出液と微生物

根のまわりで起きること

根は糖や有機酸を表面から外へ出しています。噴霧では根が空気中にあるため、株を壊さずにその浸出液を集められます。

何が起きているか

根は取り込むだけでなく、糖・有機酸・アミノ酸などを表面から外へ出しています。出たものは根をつつむ水の膜に溶け、そこへ集まる細菌や糸状菌の餌になります。微生物は根の表面でぬるりとした膜を作って住みつき、そこでも酸素を使います。閉じた箱でも菌はここに居ます——農薬が要らなくなる?の前提は、この膜のところから崩れます。

何が効いているか

出る量は株の状態で動き、水が足りない時期に増えることが測られています。溜まるか流れるかは装置側の話で、霧が膜を入れ替える回数と液が循環して戻るかどうかが効きます。壁と結露に取られる霧のように水が滞る場所ほど、微生物の側に回る餌が長く残ります。根の塊の内側も、同じ理由で滞りやすい場所です。

目で見て分かること

元気な根でも、表面はうっすら滑ります。指でこすると崩れる、褐色で匂うまで進むと別の話で、根がぬるついて崩れるの側です。タンクへ戻る液が濁っていれば、タンクの養液が濁ってぬめるで扱います。ここでは、出ていること自体は起きて当たり前だと押さえます。触った感じは、日をまたいで比べます。

どこまで確かめられているか

採り方の実測は Lin ら 2024 で、ワタを620〜827 kPaの高圧噴霧・10秒噴霧で育て、0.05 mMの塩化カルシウム・pH 6.0〜6.5で2分洗い、0.22 µmでろ過した90検体としています。Coker ら 2024 は同じ装置で有機態窒素が浸出液の20〜30%、乾燥で62%増えたと報告しました。膜の微生物が使う酸素の量は測られていません。

解説動画: エンドウの後にインゲンは植えていい?|マメ科連作を土の中から読み直す/菜園Science

同じ科を続けると: 動画は、エンドウを片づけた直後にインゲンを播いてリレー栽培を成功させる人がいるという問いから始まります。マメ科の連作はタブーとされるのに、なぜ致命的な病気を避けられるのか。鍵は根から土へ出ていく物質と、そこへ集まる微生物の側にある、と置き、足もとで何が起きているかを読み直す形で話を進めます。

根粒菌との合図: 植物は根から特定の化学的な信号を出し、自分の相手になる根粒菌だけが応えると説明します。エンドウとインゲンでは合図が違うので、インゲンはエンドウが呼んだ相手には目もくれず、自分の相手と新しくつながる。避けるべきなのは、エンドウとソラマメのように同じ合図を使う組み合わせを続けることだ、と述べます。

滲出液が呼ぶもの: 根は光合成で作った糖やアミノ酸などの炭素の化合物を土へ出していて、これが有益な微生物を呼ぶ餌になります。ただし同時に、その献立を好む病原菌も引き寄せる。同じ作物を続けるとその滲出液を好む菌ばかりが土にたまり、それが連作障害の大きな原因になる、と動画は説明します。

献立が変われば: 作物の種類が変われば出ていく物質の組み合わせも変わるので、前の病原菌は餌を失って勢いを落とし、代わりに別の多様な微生物が働き出すと述べます。うまくいった連作は薬で菌を全滅させた結果ではない——地下のつり合いを書き換えているだけで、その切り替わる時期は読み取れる、という言い方です。

それでも勧めない: 動画は最後に、フザリウムなどが土の中で何年も潜んで待つこと、根から出る物質が次の作物を抑えるはたらきや線虫がたまること、養分の偏りの三つを挙げ、条件が合えば成立するが一般には勧められないと結びます。滲出液が何を呼ぶかで菌の顔ぶれが変わるという見かたは、装置の側ではタンクの養液が濁ってぬめるにつながります。