更新と廃液
調製と管理
日数ではなく、崩れ方で決めます。補水と追肥を重ねるほど成分の比は元から離れるので、どこかで入れ替え、捨てかたまで含めて決めます。
何を担う成分・数字か
ためた液を作り直す判断と、出ていく液の行き先です。日数ではなく、崩れ方で決めます。補水と追肥を重ねるほど、株が取らない成分だけが液に残ります。液を回して使う系では、ナトリウムや塩化物イオンのように吸われにくいイオンがたまっていきます(FAO 2013)。比を元へ戻す手立ては、入れ替えのほかにありません。
目安の範囲
施設園芸で標準とされるのは、塩がたまったら循環をいったん止め、EC が戻るまで排液を出すやり方です(FAO 2013)。日本では事業場の規模になると水質汚濁防止法の排水基準がかかり、硝酸性窒素等の合計で 100 mg/L、海域以外への排出でpH 5.8〜8.6という値が置かれています(環境省)。
動かすと何が変わるか
入れ替えれば比は戻りますが、作り直す手間と出ていく液が増えます。引っぱるほどEC と pH が戻らなくなり、濁りやぬめりが出ます(→タンクの養液が濁ってぬめる)。出した液は捨てるだけでなく、露地の作物にやるという選び方もあると FAO の手引きは書いています。捨てた量を数えないと、使った水の量は出ません——節水の説の分母がここです(畑で作るより少ない水で済む?)。
測りかたと直しかた
替える線は、EC と pH が戻らないこと・補水を重ねたこと・濁りやぬめりで決めます。読むのはEC計とpH計で、日付とともに残すと崩れ方の傾きが見えます。捨てた量と入れた量も控えておくと、次に替える時期の見当がつきます。排水基準がかかるのは特定事業場で、家庭の規模を想定した数字ではありません。流す先の決まりは自治体で違います。
解説動画: How Often Should I Change Out My Nutrient Reservoir—Really?/Everest Fernandez
日数で決めがち: 動画は、替える間隔を決める条件を数え上げます。作物と生育の段階、水の質、肥料の質、槽の大きさ、置かれた環境と多いので、多くの人は1〜2週間に一度と日数で決めてしまう、と。話し手自身、槽が床にあって汲み出す手間が重く、替えやすくしておくほど期日どおりに替えられると言います。
濃くなっていく: 株は食べる量より水を多く飲みます。水は養分を運ぶだけでなく体を冷やす役目もあり、そのうち95%までが葉から蒸散して空気へ戻る。液を回して使う系では、残ったミネラル、とくに微量要素が少ない水の中に取り残されて濃くなり、濃すぎて株に障るところまで行く。だから多くの人は毎日か一日おきに補水するのだ、と続きます(→補水と追肥)。
足した量で線を引く: そこで出てくる線は日数ではありません。補水した量の合計が槽の容量に届いたら作り直すという決め方です。30ガロンの槽に2.5ガロンのじょうろで毎日足すなら12日で一杯ぶん、株が小さくて一日おきで足りるうちは24日もつ。槽の大きさと足す道具が決まれば、替える日は割り算で出るという説明です。
替えないと何が残るか: 引っぱると、微量要素と、銅や亜鉛のように多すぎれば害になる元素がたまると述べます。そのうえで、その成分が在ることと同じくらい成分どうしの比が大切だと言い、替える回数が足りなければその比も元から外れていくと続けます。量だけでなく比のほうが崩れる、という言い方です。
根が出したものも残る: さらに株は酵素・糖・有機酸・フェノール・アミノ酸を出しており、回している液にはそれもたまって細菌やカビの餌になると述べます。よいものも悪いものも育つ、という言い方です。だから足した量を数え、一巡したら抜いて作り直す——それがこの項目の線の引き方です(→タンクの養液が濁ってぬめる)。