赤色ライト

見る道具

白い光を一度浴びると、暗さに慣れた目は振り出しに戻ります。国立天文台によればその慣れに15分ほどかかるので、失うのは明かりではなく待った時間です。

何が見えるようになる道具か

暗さに慣れた目を保ったまま、手元だけを照らすための明かりです。国立天文台の「流星群の観察方法」は、屋外に出てから目が暗さに慣れるまで15分ほどかかるとしています。白い光を一度見ると、そこからやり直しになります。赤い光を使うのは、暗いところで働く目の側が長い波長に鈍いためで、同じ明るさでも慣れの崩れ方が小さく収まります。星図帳を読む、落とした蓋を探すといった作業を、暗順応を保ったまま片づけられます。

選ぶときに見るところ

色よりどこまで暗く絞れるかです。赤くても明るければ目は戻るので、手元の紙がやっと読める程度まで下げられる調光があるかを見ます。点けた瞬間に白い最大光量から始まる作りだと、絞る前に一度浴びてしまいます。赤から点く順序か、前回の明るさを覚えているかを確かめます。両手が空く頭に着ける型は双眼鏡を扱う夜に向きますが、首の向きがそのまま光の向きになります。電源が乾電池か充電式かは、冷える夜の持ちに関わります。

使うときの注意

他の人の顔や、走ってくる車のほうへ向けません。同じ場所に何人もいる夜は、点ける前に声をかけます。足元へ向け、必要な時間だけ点けます。空へ漏れる光も同じ話で、環境省の「光害対策ガイドライン」(令和3年3月改訂版)は、照らすべき範囲の外へ出る漏れ光を減らす考え方を示します。上へ向いた光は自分だけでなく、周りの夜空の明るさを押し上げます。赤くても点けっぱなしなら目は戻りません。使ったら消す、を繰り返すほうが結局は見えます。

無いときの代わり

白色ライトに赤いフィルムやセロファンを重ねる手が知られています。一枚では明るすぎて、赤くしただけの白い光になります。二枚三枚と重ね、紙一枚を透かすくらいまで落として用をなします。ライトが無ければ手のひらで光をくるみ、指の隙間から漏らすだけでも足ります。画面の明かりは赤い表示にし、輝度を最低まで下げ、通知で急に明るくならない設定にしておきます。何も無い夜は、そらし目で見る側に回り、紙を読むのを諦める判断もあります。