星の名前は買って登録できる
商業と俗説
星の名前を売る権利は、どの会社も持っていません。国際天文学連合(IAU)は、商業サービスの付けた名前に公式の効力がないと明言しています。
言われていること
記念日の贈り物として、好きな星に名前を付けて登録できるというサービスが知られています。はくちょう座やオリオン座など名の通った区画から選ぶ形が多く、証書と星図が届いて名前と座標が台帳に載ると案内されます。そのため付けた名前が天文の世界でも通るという受け取りにつながり、贈り物の場面で長く紹介されてきました。
目には実際どう見えるか
空の側は、何も変わりません。その星を指すのに使われる呼び名はカタログ番号のままで、星図帳にも観測の記録にも登録した名前は現れません。国際天文学連合(IAU)は Buying Star Names で、星に名前を与える国際的な機関は IAU だけであり、商業サービスの付けた名前には公式の効力がまったくないと述べています。同じ文書で、IAU はその商行為から距離を置くとも書いています。
どこから広まったか
恒星の固有名は、古くから使われてきた呼び名を引き継ぐ形で決まってきました。アルビレオやミラのような名を IAU の恒星名作業部会が整理し、承認した一覧として公開しています。そこに載らない星はカタログ番号で呼ばれ続け、名前が加わるのは作業部会の手続きを経たときだけです。手続きが公開されていることが自分でも申し込めるという話に読み替えられ、有料の代行という商いが育ちました。
何なら本当か
証書と星図が届くこと自体は本当です。紙の上の記念としては成り立ち、贈った相手の手元に残ります。変わらないのは空のほうで、同じ星は番号と従来の名前で呼ばれ続けます。空を自分の側へ引き寄せたいなら、双眼鏡で追える星を一つ決め、季節ごとの位置を書き留めるほうが手元に残ります。書き込みを重ねた一冊は、後から読み返せる記録になります。