霧虹

虹と水滴の光

探す位置: 太陽と反対の側

色の薄い、白っぽい弧です。霧をつくる水滴が小さすぎて色が分かれきらず、白い帯として太陽と反対の空に立ちます。白虹とも呼ばれます。

どう見えるか

ほとんど白い、幅の広い帯です。WMO 国際雲図帳は、外側に淡く細い赤、内側に淡く細い青の縁を伴う白い帯として説明しています。主虹と同じ色の順は残っているものの彩度が落ちて白に近づき、幅はずっと広くなります。日の低い朝夕には帯全体が赤みを帯び、白虹という呼び名からは離れた姿になります。

空のどこを探すか(太陽からの角度・太陽高度)

太陽を背にして、自分の影の頭のまわりを見ます。中心は主虹と同じ対日点で、Cowley『Atmospheric Optics』は対日点を中心とする半径30〜45度ほどの大きな輪としています。外側の縁は主虹の42度よりわずかに内へ寄ります。霧の上に出た稜線、海霧の縁、谷を埋めた霧の上が探し場で、太陽本体を直接見ない向きに立ちます。

なぜそこに出るか

霧粒の直径がおよそ0.01〜0.1mmと、雨粒の10分の1以下しかないためです(Cowley『Atmospheric Optics』)。粒がこれだけ小さいと回折の効きが強くなり、色ごとの弧が広がって隣と重なります。重なった色は白へ戻るので、並びは残っても彩度を失った白い帯になります。WMO 国際雲図帳も、屈折と反射に回折が加わる現象としています。粒がそろうほど縁の色が締まります。

似た現象との分け方

紛れやすいのはブロッケン現象の光輪です。分け方は大きさで、霧虹は半径30度を超える大きな弧、光輪は影の頭を囲む数度の輪になります。腕を伸ばしたこぶしの幅がおよそ10度なので、影の頭に収まる輪なら光輪、こぶし三つ分より広く開いていれば霧虹です。両方が同時に出ることもあり、そのときは自分の影を中心に小さい輪と大きい弧が重なります。色がはっきり並んでいれば主虹の側で、相手は粒の大きい雨です。

出ているとき空に何があるか

霧か、地表に接した層雲の中です。気象庁『気象観測の手引き』は霧を「ごく小さな水滴が大気中に浮遊する現象。水平視程が1㎞未満の場合をいう」と定義しており、その濃さの中で背後から日が差す配置が要ります。山の斜面を這う霧、海霧、盆地の朝霧の縁が舞台で、層雲の上端に日が届いた瞬間に立ちます。太陽を背にする向きのため、太陽の方は直接見ないで観察できます。