屋号と事業用口座

お金の受け取り

事業のお金を私生活と分ける道具

何の話?

屋号は個人で事業をするときの名前で、付けるかどうかは任意です。事業用口座は、副業の入金と支払いだけを通す口座を指します。分けておくと帳簿づけが軽くなり、経費の説明もしやすくなります。逆に生活費と混ざったままだと、一年分の明細から拾う作業が年末に来ます。

どうするか

屋号は開業届に書く欄があり、後から決めても構いません。口座は屋号付きでなくても、個人名義の別口座で足ります。副業の入金先をそこへ変え、経費の引き落としも同じ口座へ寄せます。カードも一枚だけ分けると、明細がそのまま経費の記録になります。通帳は消さずに残します。

よくある場面

生活費と同じ口座で受け取っていた人が、確定申告の時期にどれが副業の入金かを一件ずつ思い出す羽目になります。口座を分けた翌年は、明細を眺めるだけで売上が並びます。屋号を付ける場合も、読み方が伝わる短い名前にしておくと、振込や請求のやりとりで手間が減ります。

つまずくところ

屋号は自由に付けられますが、他社の商標と紛らわしい名前は避けます。屋号付きの口座は審査に時間がかかり、事業の実態を示す書類を求められることがあります。口座を分けたことと会社に伝わるかどうかは無関係で、そちらは会社に伝わる経路の話です。口座の名義そのもので届出の要否が決まるわけでもないので、必要かどうかは所轄の税務署の案内で確かめてください。

解説動画: 個人事業主が口座開設出来ない問題!確実に開設できる方法を元銀行員税理士が詳しく解説します!/確定申告税理士【コニ先生】

事業用口座が作れない: 10年前なら窓口で「家から一番近いから」と言えば作れた事業用の口座が、ここ数年は開設を断られるようになった。理由は詐欺などによる口座の不正利用で、監督官庁が開設時のチェック体制を各金融機関の指導・評価のポイントに据えたため。銀行側も「この根拠で開設を認めた」と説明できる必要が出てきた。

求められる裏付け資料: 今は法人・個人を問わず、事業実態が分かる裏付け資料を出せと言われる。例に挙がるのはホームページ、パンフレット、事務所の賃貸借契約書。まれに行員が事務所まで来て、執務スペースや従業員、設備が実際にあるかを見る現地調査が入ることもある。

1年目が一番きつい: 創業から1年が過ぎ、決算書や確定申告の提出を済ませた人は、ほぼハードルなく口座を作れるという。詰まるのは1年未満のほう。これから始める段階では、パンフレットも事務所の契約書も存在しないという矛盾に突き当たる。

融資を先に通す順番: 動画が挙げる回避策は順番を入れ替えること。国がやっている政策金融機関の創業融資を先に申し込む。融資は口座が無くても申し込める(口座が要るのは契約を結ぶ段階)。可決を持って窓口へ行けば、公的機関が事業実態も反社チェックも見たという建前が立ち、銀行が断る理由は無くなる。

まずネット銀行から: 融資が絡まないなら、ネット銀行を先に作るのが手だと話す。解説者本人の会社も設立当初は銀行に口座を断られたが、まずネット銀行の口座で回し、事業をある程度成長させてから同じ銀行へ持ち込み直したところ、今度は開設してもらえたという実体験を添えている。