値上げの切り出し方

お金の受け取り

続けてきた相手に単価を上げる話

何の話?

最初に安く受けた金額は、黙っていても上がりません。腕が上がり作業が速くなっても同じ額のままなら、時間あたりの報酬は下がり続けます。しかも続くほど言い出しにくくなります。値上げは自分から持ち出す作業だと最初から決めておくほうが、関係を壊さずに済みます。

どうするか

切り出す時機は契約の更新や年度の替わり目、あるいは作業範囲が増えたときです。理由は生活の苦しさではなく、提供している中身の変化で説明します。新しい金額と適用を始める日を具体的に示し、返事の期限は相手に委ねます。金額の根拠は単価の決め方で組み立てておきます。

よくある場面

受注当初の金額のまま一年続いた記事に、構成案と語句の調査が加わっているとします。「来月分から、構成込みで一割ほど見直させてください」と、増えた作業と一緒に出す形です。作業が増えた事実を並べるだけで、値上げの話は交渉ではなく確認に近づきます。

つまずくところ

断られる可能性は当然あり、そこで切られる場合もあります。他に一件か二件の取引がある状態を作ってから出すほうが安全です。全部の相手へ同時に出すと、減るときも同時になります。応じてもらえた相手には、納期と品質で返すところまでが値上げの一連だと考えてください。

解説動画: 【重要】フリーランスは、値上げ交渉すべき【徐々に、暇になる働き方】/マナブ

黙っていると安売りになる: 手に職の仕事は、同じ内容を半年から1年も続ければ実力が目に見えて変わる。それでも単価を受けたときのままにしておくと、腕が上がったのに安い仕事を受け続ける状態になる。会社と違って待っていても昇給は無いので、単価の決め方の見直しは自分から言い出すしかない。

対面で頼んでも通りにくい: 値上げのやり方を調べると「会いに行って直接お願いしろ」という助言が出てくる。ただ話す相手はたいてい経営者で、話術やビジネススキルでは勝てない。話者自身も面と向かって頼んで上がらなかったという。その場の押しで決めにいくより、先に上げてもらう理由を作るほうが早いと言う。

先に付加価値を足す: 作るだけの人から抜けるのが本筋。サイト制作なら問い合わせが増える改善案や運用まで出し、デザインなら見た目だけでなくUI設計へ踏み込む。検索流入が仕事なら売上全体の提案まで広げる。仕事の幅が変わってから「こういう仕事も増えたので」と切り出すとほぼ通る、というのが話者の実感。

断られる理由は腕ではない: 会社は売上に応じて出せる予算の枠が決まっている。取引先の事業の利益率が低ければ、こちらがどれだけ優秀でも構造的に上げられないことがある。そこは腕の評価とは別の話なので、同じ条件で受け続けるか降りるかを選ぶだけになる。話者は単調な仕事に飽きて断ることが多かったという。

余白を残す・外注に回す: 単調な案件で時間が埋まると、面白い話が来ても動けなくなる。予定に余白を残すほど反応しやすい。もう一つの道が仕組み化で、誰でもできる段階まで落ちた仕事は別の人へ流し、自分は受け口の側に回る。差額が手元に残り、自分の時間が空く。