取材・インタビュー記事
書く・伝える
人に話を聞いて記事の形にする仕事
どんな仕事?
人に会って話を聞き、記事にまとめる仕事です。採用ページや顧客事例、専門家の解説などで需要があり、発注元は制作会社や事業会社の広報担当です。事前に相手を調べる準備と、その場で質問を組み替える力が要ります。書く量より段取りと確認の作業が重く、オンライン取材も現地取材もあり、写真まで頼まれる案件もあります。
仕事の流れ
依頼を受けたら質問案を発注元と相手に共有し、当日は60〜90分ほど話を聞きます。録音は機材を二重にして取り、終わったら文字に起こして構成を組みます。原稿ができたら相手への内容確認を通すのが原則で、ここで加筆や削除が入ります。反映して納品という流れです。起こす手間はテープ起こしに外注する書き手もいます。
単価と収入の目安
報酬は1本いくらで決まることが多く、1万5000円〜5万円あたりが目安です。専門分野や経営層への取材だと5〜10万円になる案件もあります。ただし移動と確認を含めると1本に2〜3日かかり、本数はあまり伸びません。交通費が別途支給か報酬に込みかは最初に確かめてください。指名で続けて声がかかるまでには1年前後を見る人が多く、条件も案件ごとに大きく違います。
最初の1件までにやること
いきなり取材案件は取りにくいので、まず形を見せる材料を作ります。知人の仕事を無償か少額で取材させてもらい、公開できる記事を二本用意するのが現実的です。録音機とヘッドホンは1万円前後で揃います。そのうえで制作会社の募集に応募し、実績はポートフォリオの形に整理して渡しましょう。
向かない人・つまずくところ
相手の都合に日程を合わせるため、平日の昼に動けない人は受けられる案件が限られます。話をそのまま並べても記事にならず、削る判断が要ります。確認の段階で趣旨ごと書き換えられることもあり、そこで折れる人もいます。名前や肩書きの誤りは信用に直結し、写真の扱いは肖像権と写真の使用も関わります。
解説動画: 【有料級!?】大物に切り込むには“コツ”がある。話を引き出す「インタビューの極意」6選/新R25チャンネル
事前準備は余裕のため: インタビュー媒体の編集長が、自分の手順を難易度順に6つ挙げる。最初は事前準備。やることは特別ではなく、聞きたいテーマに沿って相手の過去の記事やSNSを読むだけ。狙いは知識より余裕で、準備不足の不安があると本番で臨機応変に動けなくなる。用意した質問項目はほとんど見ないが、手元にあること自体がお守りになる。
成功の形を先に決める: この取材がどう転がれば成功か、相手のどんな姿を描けたら成功かを先に決めておく。たとえば元気な印象の人から失敗や苦悩を引き出したい、と決めれば、質問は「何が大変だったか」「どんな失敗をしたか」の方向にそろう。決めていないと質問がばらけ、限られた時間で密度の濃い記事にならない。
相手を同じ側に引き込む: 相手も時間を取って受けている以上、良い取材にしたい理由がある。だから成功イメージをそのまま相手に伝える。こういうあなたの姿を描きたい、この話を読者に届けたい、と口に出してすり合わせ、同じ方向へ一緒に向かう。引き出してやろうという打算で向き合うと互いに心を開かないので、相手に楽しんでもらう前提で質問を考える。
掘り下げる二つの武器: 話が単調になったときの手は2つ。背景を掘る(なぜそう思ったのか、どうやったのか、そう考えるに至った原体験はあるか)と、具体的に聞く(それは具体的にどんなことか、エピソードはあるか)。向きは逆だが、両方を持っていれば掘りたい場面で使い分けられる。言葉が出てこない相手には仮説を当ててヒントを出す。だから仮説は準備の段階で持っておく。
場の空気は自分で作る: 最後は場の空気で、主導権を渡さないことを徹底する。相手が着いたらエレベーターまで迎えに行き、部屋までの数十メートルで和む話題を振って空気を作ってから席に着く。切り込んだ質問ができる土台は、冒頭でリスペクトを先に伝えること。好意が伝わっていれば際どい問いも愛のあるツッコミとして受け取ってもらえる。気まずくなったら気まずいと口に出して和ませ、引かない。