メイラード反応
におい・色
保温を続けたごはんが黄色みを帯びる原因とされる反応です。糖とアミノ酸が結び付いて褐色の物質ができ、保温が長いほど進みます。でんぷんが硬くなるほうは保温で抑えられますが、この反応は止まりません。
何が起きているか
糖とアミノ酸が結び付いて褐色の物質ができる反応です。保温を続けた米飯が黄色みを帯び、においが変わる原因とされ、黄色くなったの説明として挙げられます。老化(β化)とは別の反応で、温度を上げても止まらず、保温する間はむしろ進みます。焼き色や香ばしさが付くのも、同じ反応の側にあります。保温をやめない限り、時間とともに進み続けます。
何によって変わるか
保温する時間をかけて進みます。炊飯器の保温は象印が高めで約73℃・低めで約60℃、タイガーが72℃とされ、この温度帯では老化(β化)のほうは抑えられます。同じ保温でも、止まるものと進むものが分かれる区間です。何時間で見た目に表れるかは機種と設定で変わり、一律の閾値を示した公的な資料は見当たりません。
よくある勘違い
「保温にしておけば劣化しない」という言い換えは、片方だけを見ています。保温することで抑えられるのはでんぷんの老化で、黄変とにおいの変化はこの反応で進みます。保温にしておけば劣化しないは、何が止まって何が進むのかを分けないと、置いておける時間に上限が無いように読めてしまいます。何時間まで置けるかは、器具と時間を自分で見て決めることになります。
台所での意味
保温を何時間まで続けるかを決める材料になります。長く置くなら冷凍するへ切り替えるという分かれ方で、残ったご飯は熱いうちに冷凍するはこの反応を避ける側の手順です。黄色くなったが出た時点で、老化(β化)とは別の変化が進んでいると読めます。においの変化も同じ側の合図になります。保温を止める時刻を先に決めておくと、そのつど迷わずに済みます。
解説動画(海外・英語): I FINALLY understand the Maillard reaction/MinuteFood
一つの反応ではない: 動画はまず、メイラード反応は1つの反応ではなく多数の反応が将棋倒しのように連なったものだと言います。始まりは反応しやすい還元糖の一部と、たんぱく質の材料であるアミノ酸の一部が結び付くところで、できたものが組み替わって壊れ、また互いに反応してと続き、細部は今も分かっていないと述べます。
色と香りの出どころ: こうして最後には数百種類の化合物ができます。動画はそのうち環の形をした大きな分子が光を反射して褐色に見せ、とても揮発しやすい小さな分子が複雑な風味とにおいをつくる、と役割を分けます。色と香りが同じ反応から出てくるという整理は、米飯の黄色くなったを読む下地になります。
カラメルとの違い: 褐色になる反応は他にもあると付け加えます。カラメル化は糖と熱だけで進み、デキストリン化は大きなでんぷんが小さく分解される変化で、どちらもメイラード反応とは別の反応です。ただし1つの食品で同時に起こることもあり、高めの温度ではっきり色づいているならメイラード反応も混じっているだろう、というのが動画の見方です。
pHが高いほど速い: 条件の1つはpHで、高いほど反応は速く進みます。塩基性の環境ではアミノ酸側の反応する部分がさらに反応しやすくなるためで、酸の強いサワードウ生地は色づきにくく、ベーグルを重曹入りの湯でゆでると濃い色が出る例を挙げます。pHという物差しは炊飯水のpHの側にも出てきます。
常温でも進む: もう1つの条件は温度です。動画は常温でも反応は起こるが数か月から数年かかるとし、熟成したバルサミコ酢・黒にんにく・生ハムの色と複雑さをその例に挙げます。温度が高いほど速く進むので、保温するあいだの米飯は、時間をかけて同じ変化が進み続ける側に置かれることになります。