空き家の庭木
誰のものか
空き家の庭木は、建物と一緒に法律の対象になります。空家等対策特別措置法2条1項が敷地の立木を空家等の範囲に入れていて、自治体は所有者へ伐採を求める道を持っています。
何が決まっているか
空家等対策の推進に関する特別措置法2条1項は、空家等の範囲にその敷地を含め、そこへ立木その他の土地に定着する物を入れています。伸びた庭木や傾いた木は、建物と切り離さずに一つの空家等として扱われるということです。管理の責任は所有者や相続人の側に残り、住んでいないことでは外れません。自治体は所有者を調べたうえで、指導や勧告という段階を踏んで手入れを求めます。
根拠になる法令
13条は管理不全空家等への指導と勧告を、22条は特定空家等への助言・指導、勧告、命令を定め、どちらの措置にも立木竹の伐採が並びます。命令に従わないときは行政代執行まで進み、勧告を受けた土地は住宅用地の固定資産税の特例から外れる扱いもあります。倒木で隣に損害が出たときは、民法717条2項が竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合として所有者に責任を及ぼします。
実際どうするか
隣の空き家の木で困っているときは、その建物のある市区町村の空き家の相談窓口へ。多くの自治体が空家等対策計画と受付先を公開しており、所在地と状況を伝えるところから手続きが始まります。所有者が分かる場合は、先に持ち主へ連絡を取る道もあります。留守だからと敷地へ入って切る行為は、住居侵入や器物損壊の側に振れます。境界を越えた部分の扱いは越境した枝と越境した根に分けました。
勘違いしやすいところ
建物の無い更地は、空家等に当たりません。この法律は建築物とその敷地を単位にしているので、草木だけが茂る土地は自治体の空き地の適正管理条例の側へ移ります。似た見た目でも根拠法が別で、担当課も窓口も変わります。道路へはみ出した部分は歩道にはみ出す庭木の側です。もう一つ、手入れが足りているかを判定するのは、調査に入る自治体の側です。住民は目の前の木を自分で見立てず、見えている状況を伝える形で持ち込みます。