街路樹の管理者
誰のものか
歩道の木は、道路そのものの一部です。道路法2条2項2号が並木を道路の附属物に挙げていて、持ち主は家の前の住民ではなく、その道路を管理する国や都道府県、市町村になります。
何が決まっているか
道路法2条2項2号は、道路上の並木や街灯のうち道路管理者が設けたものを道路の附属物に挙げています。附属物は同法2条1項の道路に含まれるため、歩道の街路樹は道路そのものの一部という扱いになります。管理する主体は路線の種類で分かれ、一般国道は国、都道府県道は都道府県、市町村道は市町村が道路管理者です。標識や照明と同じ列に並ぶ物として、幹も枝も根も管理者の判断で剪定や更新が決まります。
根拠になる法令
無断で枝を切る行為は、道路法43条1号の「みだりに道路を損傷し、又は汚損すること」に当たります。附属物である並木は道路の一部なので、伐採も強い剪定もこの条文の射程に入ります。同法102条1項3号は、これに違反した者へ1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を定めています。看板やのぼりを枝に結ぶ行為も、同じ43条の禁止に並びます。条文は e-Gov 法令検索の道路法で読めます。
実際どうするか
枝が窓に触る、実が落ちて滑るといった話は、その路線の道路管理者へ伝えます。市町村道なら市区町村の道路管理課、国道なら国土交通省の各国道事務所が窓口で、多くの自治体が通報の受付フォームや電話番号を公開しています。根元の植え込みへ花を植える行為は別の話で、道路法32条の占用許可か、自治体が用意する道路里親制度の登録に乗ります。歩道側へ伸びた自分の庭木は歩道にはみ出す庭木の側の義務です。
勘違いしやすいところ
家の前に立っていても、その木は住民のものではありません。植えたのが前の代の住民であっても、道路の区域に入った時点で附属物として道路管理者の管理下に移ります。逆に、落ち葉の掃除を沿道の住民に義務づける条文も、道路法の側にはありません。落ちた実を拾う話は落ちた実の持ち帰り、公園の木との段差は公園の木と草に分けてあります。