落ちた実の持ち帰り
採る・運ぶ
落ちたどんぐりの持ち主も、拾った人ではありません。民法は樹木を土地の定着物とし、そこから分かれた実は、元の物から収取する権利を持つ人に属すると定めています。
何が決まっているか
民法86条は土地及びその定着物を不動産とし、生えている木を土地の一部として扱います。実や種は木から分かれると独立した物になり、89条1項が、天然果実はその元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属すると定めています。落ちた瞬間に持ち主のいない物になるのではなく、その土地や木を管理する側に属するという筋です。どんぐりも松ぼっくりも、拾った人のものになる根拠はありません。
根拠になる法令
重なる決まりは場所で変わります。公園なら都市公園法11条2号か自治体条例の「植物を採取すること」、街路樹なら道路法43条1号の「みだりに道路を損傷し、又は汚損すること」が受け持ちます。生きた枝を折って実ごと持ち去れば刑法261条の器物損壊が視野に入り、こちらは3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料です。私有地では土地所有者の権利が直接働き、道路の側の管理は街路樹の管理者にまとめました。
実際どうするか
量と目的で線が引かれることが多く、その公園や道路の管理者に尋ねるのが近道です。自治体によっては落ち葉やどんぐりを集める行事を開き、拾える日と範囲をあらかじめ示します。学校や園の活動として拾うときも、管理者への連絡が前提になります。イチョウの実の外側は素手で扱うとかぶれることがあり、拾う前にギンナンの外種皮を見ておきます。
勘違いしやすいところ
「落ちているものは誰のものでもない」は誤りです。分離した実の帰属は民法89条1項が決めており、地面にあるかどうかでは変わりません。「掃除のつもりなら構わない」も同じで、落ち葉や実の処理は管理者の作業に含まれます。一方、量が少なく、管理者が黙認している場面があるのも事実で、そこは各管理者の運用の話です。公園という場所の側の決まりは公園の木と草に置きました。