希少な野草の採取
採る・運ぶ
採取を止める力があるのは、法令の指定と土地の権利です。種の保存法が指定した種は生きた個体を採ることが禁じられ、違反には重い罰則が置かれています。
何が決まっているか
種の保存法9条は、国内希少野生動植物種等の生きている個体の捕獲、採取、殺傷又は損傷を禁じています。花を一輪摘む、株を掘る、踏んで傷つけるまでが同じ条文に並びます。環境省の一覧では令和7年2月現在の指定458種のうち、維管束植物が210種で最も多く、そのうち特定第一種が66種です。名前の印象で決めず、一覧で種名を確かめるところから始まります。
根拠になる法令
罰則は57条の2第1号の5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金で、併科もあり、法人にはさらに重い罰金が用意されています。指定は政令で行われ、特定第一種と特定第二種では規制の中身が変わります。都道府県や市町村の条例が別に希少種を指定していることもあり、国の一覧に無い種が地域の条例で守られている場面があります。国立公園などの区域では、自然公園法の側の規制も重なります。
実際どうするか
採らずに写真で残すのが、いちばん外れの少ない扱いです。種名を知りたいときはその場で撮り、あとから図鑑や環境省の一覧で照らします。記録を残す場合も、座標や詳しい場所を公開の場に書かないのが、この分野で共有されている作法です。指定の有無が分からない植物は触らずに置き、公園の木と草や土地の管理者の側の決まりも合わせて確かめます。
勘違いしやすいところ
レッドリストに載っていることと、採取が禁じられることは別です。レッドリストは絶滅のおそれを評価した一覧で、採取を禁じる効力はありません。規制は政令で指定された種と、都道府県の条例の側にあります。逆に、指定が無ければ自由という読み方も外れで、土地の所有者や管理者の権利は指定と関係なく働きます。運ぶ側の話は特定外来生物の運搬に別に置きました。