隣に落ちる落ち葉

隣との境

落ち葉を止める条文は、民法にありません。233条が扱うのは境界線を越えた枝と根で、葉や実が風で運ばれてくることは、その射程の外にあります。

何が決まっているか

民法233条が名前を挙げているのは、境界線を越えた枝と、境界線を越えた根の二つだけです。飛んでくる葉や実に向けた条文は置かれておらず、掃除を隣家に義務づける規定も、落ち葉の量に上限を引く規定もありません。枝が越境しているかどうかが最初の分かれ目で、越えていれば233条の側、越えていなければ葉だけが飛んでくる形になります。ここを見ないまま話し始めると、根拠が合わなくなります。

根拠になる法令

責任を問う道が残るとすれば、民法709条の不法行為です。故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者が損害を賠償するという条文で、近隣の争いでは受忍限度を超えるかどうかが判断の軸になります。通常の落葉は受忍の範囲とされてきました。賠償が認められるのは、量や状況が社会生活上がまんできる程度を明らかに越える場面に限られます。

実際どうするか

先に、枝が境界を越えているかどうかを見ます。越えていれば越境した枝の手順に乗り、越えていなければ相手へ状況を伝えて話し合う形になります。多くの市区町村が近隣のもめごとを受ける相談窓口や無料の法律相談を用意していて、行政が隣家へ直接命じる仕組みではないと説明しています。集めた落ち葉の始末は刈った草と剪定枝の始末の側です。

勘違いしやすいところ

「落ち葉が来るのだから枝を切ってよい」は、条文の順が違います。233条3項が働くのは、枝が境界線を越えている場合で、敷地の中に収まった枝には及びません。雨樋の詰まりや屋根の傷みは工作物の管理という別の話へ寄っていき、落ち葉そのものの議論とは分けて見ます。相手が空き家で連絡の付かないときは空き家の庭木です。