歩道にはみ出す庭木

隣との境

相手が道路になると、根拠は民法を離れます。歩道へ出た庭木は道路法の側の話で、43条2号の禁止と、44条の沿道区域の義務が働きます。

何が決まっているか

道路法43条2号は、「みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為」を禁じています。歩道の上へ張り出した枝も、交通に支障を及ぼす虞のある状態としてこの禁止の側で読まれます。44条1項は道路管理者が沿道区域を指定できると定め、ただし書で道路の各一側について幅20mを超える区域を外しています。

根拠になる法令

条の見出しは「沿道区域における土地等の管理者の損害予防義務」です。44条3項は、指定された区域内の土地、竹木又は工作物の管理者に、道路の構造への損害や交通への危険を防ぐ施設の設置その他必要な措置を義務づけ、4項で道路管理者がその措置を命じることができるとしています。71条4項は、道路監理員に中止や原状回復を命じる権限を持たせる仕組みです。

実際どうするか

見る向きは二つあります。他人の庭木が歩道をふさいでいるときは、その路線の道路管理者へ場所と状況を伝えます。市町村道は市区町村の道路管理課、国道は国道事務所が窓口で、路線ごとの分かれ方は街路樹の管理者に置きました。自分の庭木のときは、標識や信号、カーブミラーが枝で隠れていないか、歩行者の頭の高さまで枝が下りていないかを敷地の外から見ます。

勘違いしやすいところ

「自分の敷地に生えているから自由」とはなりません。幹が私有地にあっても、枝が道路の上へ出た時点で43条の禁止と沿道区域の義務がかかります。逆に、隣家の側の越境した枝の段取りをそのまま持ち込むこともできず、道路の側に民法233条の催告という段はありません。木の状態を自分で見立てる話でもなく、枝の位置と見通しという、外から確かめられるところを伝えます。