ヨウシュヤマゴボウの誤食

口に入ったとき

太い根と紫の実が、どちらも当たります。ヨウシュヤマゴボウは空き地の定番で、名前の似た山菜の根と取り違えた中毒が報告されています。

どんなことが起きるか

口にしてからおよそ2時間で腹痛、嘔吐、下痢が始まります。厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』のヨウシュヤマゴボウの項は、強い下痢のあと延髄に作用すると記し、けいれんや意識の低下に触れています。掲載された事例では7名が摂食後およそ2時間で嘔吐しました。同資料は皮膚に対しても刺激作用があるという一行も置いており、汁の付いた手のかゆみは同じ成分の側です。

原因になる植物

北アメリカ原産のヨウシュヤマゴボウです。有毒成分はフィトラッカトキシンで、同資料はフィトラッカゲニンをアグリコンとする数種の配糖体、つまりサポニンの混合物としています。有毒部位は果実と根で、大根ほどに太る根が取り違えを大きくします。相手はキク科のモリアザミで、その根が「ヤマゴボウ」の名で扱われてきたため、名前が同じという理由だけで掘られた例が報告されています。

その場でどうするか

口の中のものを出し、水でゆすぎます。背中をたたいて吐かせることはしません。根か果実か、どれくらいの量か、いつかを書き出してから、日本中毒情報センターの中毒110番に相談します。電話の前にそろえるものは子どもが実を口に入れたときで扱っています。紫の果汁が手や服に付いただけなら石けんで洗い、洗う前の手で目をこすらないようにします。目に入ったときは汁が目に入ったときへ移ります。

受診の目安

根をかじった場合は、症状が出ていなくても相談します。果実を数粒口に入れた程度でも、体の小さい子どもでは影響が出やすく、様子を見る側には置きません。嘔吐と下痢が続いて水分がとれない、ぐったりする、けいれんや意識のもうろうがあるときは救急を含めて考えます。持って行くのは口にした部位そのもので、根なら切れ端、果実なら房ごと持参すると確かめが早く進みます。

起こさないために

紫の実を子どもの手に渡さないところから始めます。房ごと垂れ下がり、つぶすと色水になるため、遊んでいるうちに口に入る経路ができます。空き地やフェンス際の株は根が太いほど古く、掘れば大きく見えますが、名前が似ているという理由で掘り起こす株ではありません。街なかの株は土地の持ち主のもので、空き家の庭木と同じ扱いになります。実の付いた枝を持ち帰らないことも、家で口に入る機会を減らします。