スイセンとニラの取り違え

口に入ったとき

においを確かめると分かります。ニラは葉をちぎると強くにおい、スイセンはにおいません。取り違えは短い潜伏期のあと嘔吐に至ります。

どんなことが起きるか

口にしてから30分以内という短い潜伏期のあとに、悪心、嘔吐、下痢、流涎(りゅうぜん)が出ます。厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』のスイセンの項が挙げている経過です。嘔吐が続いて水分がとれない状態になることがあり、頭痛や発汗を伴う例もあります。症状の出る速さそのものが手がかりで、食後まもなく吐いたなら、直前に口にしたものをさかのぼります。

原因になる植物

原因はスイセンで、有毒成分はリコリンやタゼチンなどのアルカロイドとシュウ酸カルシウムの針状結晶です。同資料は全草が有毒で、鱗茎に特に多いと記しています。事例は2009年の兵庫県でニラと間違えた8人、2008年の茨城県で校庭の菜園の球根をタマネギと取り違えた児童5人が挙がっています。同じヒガンバナ科のヒガンバナもリコリンを持ち、葉だけの季節は姿が似る点が共通します。

その場でどうするか

口に残っているものを出し、水でゆすぎます。意識がはっきりしない相手に無理に吐かせないのが順番で、吐いたものは受診で見せられるよう取っておきます。口にした部位と量、時刻をそろえたうえで、日本中毒情報センターの中毒110番に相談します。相談先の番号は子どもが実を口に入れたときにまとめてあります。切り残した葉や掘り上げた球根も、捨てずに持参します。

受診の目安

嘔吐を繰り返して水分がとれない、ぐったりしている、しびれや脈の乱れがあるときは受診します。体の小さい子どもと高齢者は同じ量でも影響が大きく、早めに見せる側へ倒します。鱗茎をかじった場合は成分の濃い部位なので、症状が軽くても相談します。受診では口にした部位(葉か鱗茎か)と時刻を伝えます。処置は水分の補給を中心とした対症療法で、判断は医療機関に委ねます。

起こさないために

葉を一枚ちぎって、においを確かめます。ニラは強いにおいが立ち、スイセンは立ちません。ただ、においより確かな分かれ目は同じ場所に混ぜて植えないことです。球根はタマネギに似た形で土から出るため、掘り返した場所に置きっぱなしにしません。花壇や植え込みのスイセンは公園の木と草の管理の下にあり、摘む対象ではありません。山のスイセンとトリカブトはオトモキャンプの記事にゆずります。