/t/ の脱落

脱落(消える)

/t/の脱落は、子音に挟まれた/t/や/d/が発音されなくなる現象で、next dayは「ネクスデイ」、must beは「マスビー」になります。BBC Learning Englishは、子音が3つ続くと口の仕事が多すぎるため真ん中の/t/が落ちがちだと説明します。Raymondらの研究では、速く話している場面ほど落ちる例が多いと報告されています。

どういう現象?

子音に挟まれた /t/ や /d/ は、しばしば発音されません。next day は「ネクスデイ」、must be は「マスビー」になります。Raymond ら(2016)は、物語を音読した実験でも、語末の /t/ や /d/ は次が子音で始まる語のほうが母音で始まる語より落ちやすかったと報告します。

なぜ起きる

子音が3つ続くと、口の仕事が多すぎるので、真ん中の /t/ が落ちがちです。BBC Learning English はそう説明します。Raymond ら(2006)は、アメリカ英語の会話コーパス Buckeye で語の内部の /t/ と /d/ を調べ、速く話している場面ほど落ちる例が多かったと報告し、音節末の脱落は子音の連なりを簡単にして口の動きを省くためと解釈しています。

聞き取りのコツ

「t が聞こえないから別の単語だ」と思わないこと。Accent's Way English with Hadar は、best friends の t が落ちても別の単語ではないと説明し、自分で言うときは不自然なら落とさず、はっきり言えばよいとも話します。Temple(2003)は、ヨークの英語の録音で、子音が続く /t/ は落ちたのか隠れているだけなのか判断しにくい例が多いと述べます。

例

next day → ネクスデイ / must be → マスビー / friendship → フレンシップ / facts → ファクス

出典

  1. 動画・英語 BBC Learning English Pronunciation: Elision of /t/
  2. 動画・英語 Accent's Way English with Hadar English Pronunciation Practice: Dropping the T
  3. 論文・英語 Raymond WD, Dautricourt R, Hume E(2006) Word-internal /t,d/ deletion in spontaneous speech: Modeling the effects of extra-linguistic, lexical, and phonological factors
  4. 論文・英語 Raymond WD, Brown EL, Healy AF(2016) Cumulative context effects and variant lexical representations: Word use and English final t/d deletion
  5. 論文・英語 Temple RAM(2003) What is “-t,d deletion”? A new look at an old sociolinguistic variable

解説動画: 英語が聞き取れるようになる 7つのポイント(Part 1)/ニック式英会話

聞き取れない理由: ネイティブの英語が聞き取れるようになるためのポイントを7つに整理した内容。自分が覚えたカタカナ発音と実際の音がまったく違うため、知っている単語でも聞き取れないという問題設定から始まる。

音の変化を型で覚える: 知らない単語が聞き取れないのは当然だが、知っているはずの単語が聞き取れないのは、その単語が文の中でどう変化するかを知らないため。その変化を7つのポイントとして体系立てて紹介する構成になっている。