ポップガード

録る・話す

ポップガードは、p, b, tのような破裂音で口から飛び出す息の塊がマイクの振動板に直接当たって起こる、ボッという低い雑音を防ぐ道具です。マイクの手前に薄い膜か網を挟んで風だけを散らし音は通すしくみで、語頭のpを息を強く出して言う帯気の練習ほど破裂音が起きるため、録った音を聞き返して直す練習にはこれが無いと子音の良し悪しが分かりません。マイクと膜のあいだを5センチほどあけると、効果がちょうどよくなります。

どこに効くか

p, b, t のような破裂音は、口から息の塊が前に飛び出す音です。この風がマイクの振動板に直接当たると、ボッという低い雑音になり、肝心の子音が潰れます。英語の練習では、語頭の p を息を強く出して言う(帯気)練習ほど、この破裂が起きます。つまり正しく言おうとするほど録音が汚れる、という妙なことが起きます。ポップガードはマイクの手前に薄い膜か網を挟んで、風だけを散らし、音は通す道具です。録った音を聞き返して直す練習をするなら、これが無いと自分の p が上手いのか下手なのか分かりません。ついでに、マイクに息と唾が直接かかるのも防げるので、機材そのものが長くもちます。

選ぶときに見るところ

布(ナイロン)の二重膜と、金属メッシュの型があります。布は高い音がわずかに丸くなり、金属は素通りに近い性質です。取り付けはマイクスタンドを挟むクランプ式が多いので、自分のスタンドの太さに合うかを見ます。マイクを机に直接置いている場合は、そもそも挟む場所がありません。マイクと膜のあいだは5センチほどあけると効き、ぴったり付けると意味がなくなります。膜が二重になっているものほど風は止まりますが、そのぶん自分の声も遠く聞こえるので、練習中の位置は録りながら決めます。なお、マイクを口の正面から15度ずらすだけでも破裂音はかなり減ります。まずそれを試して、残った分を消すために足す順番だと無駄になりません。

解説動画: ポップガードの比較。ポップノイズと飛沫/光のおじさん

二つの役目: マイクの前に立てて止めるものは二つある。ひとつは声と一緒に飛ぶ唾で、コンデンサーマイクは水分に弱く、中が錆びると性能が落ちる。もうひとつはパ行のように口を閉じて一気に開く音で出る風。マイクは風に敏感で、その瞬間だけ低くボコッと鳴ってしまう。

風を止める力の順番: 手元の4種類で同じ言葉を録って聞き比べると、目の細かい二重のナイロンメッシュがいちばん風を止め、次がスポンジ、その次が金属メッシュだった。金属は隙間が多いので止まらないだろうと思われていたが、意外にしっかり効いていたという結果になっている。

飛沫は素通りすることがある: 色を付けた水を霧吹きで吹きかけ、下に敷いた紙の汚れで通り抜けを見る実験では、ナイロンは水を完全に受け止めたのに対し、金属メッシュは網目のとおりに紙が赤くなり、水滴が貫通していた。マイク本体を水分から守るという意味では、この差は小さくない。

音への影響は逆になる: 音のほうは立場が入れ替わる。網目の粗い金属は空気の振動が隙間を抜けて自然に届き、目の細かいナイロンは高いほうの周波数が削られて、角が丸くなる。低いほうはどちらも通る。強く止めるほど元の音は変わるので、どちらを取るかは録りたい音しだいとしている。