密閉型ヘッドホン

聞く

密閉型ヘッドホンは、耳をすっぽり覆って圧を耳のまわりに分散させるため、イヤホンより長く着けていても耳が痛くなりにくい道具です。外の音を遮る密閉型(クローズド)の作りは、家族の話し声やエアコンの音に邪魔されず、母音の長さや弱く読まれる音節の弱さまで聞き取れます。シャドーイングに使うなら無線は音が遅れるため有線を選びます。眼鏡をかけたまま使うなら、パッドの柔らかいオーバーイヤー型が向きます。重さが250グラムを超えると首に来るので、側圧とのバランスも見ておきます。

どこに効くか

発音の練習は、1回5分でも毎日続けるほうが効きます。ところが耳に押し込むイヤホンは、長く着けていると耳の中が痛くなり、それが理由で練習そのものをやめてしまうことがあります。耳をすっぽり覆うヘッドホンは圧が耳のまわりに分散するので、同じ時間でも疲れにくい。密閉型(クローズド)は外の音を遮る作りなので、家族の話し声やエアコンの音に邪魔されず、母音の長さや、弱く読まれる音節の弱さまで聞き取れます。開放型は音が外に抜けて自然に聞こえますが、部屋の音も同じだけ入ってくるので、細かい聞き分けの練習には向きません。

選ぶときに見るところ

見るのは、イヤーパッドが耳を完全に囲むか(オーバーイヤー)、耳の上に乗るか(オンイヤー)です。眼鏡をかけたまま長く使うなら、パッドの柔らかいオーバーイヤーのほうが痛くなりにくいです。重さは250グラムを超えると首に来ますが、軽いものは側圧が強めなことが多く、両方は成立しにくいので、どちらを我慢するかを先に決めます。有線か無線かは、シャドーイングに使うなら有線。無線は遅れます。折りたたみは持ち歩く人だけの機能で、机に置きっぱなしなら関係ありません。すでにイヤホンがあって耳が痛くならないなら、これは後回しで構いません。買うならマイクは別に用意する前提のほうが、話すときの音を別で選べます。

解説動画: 音のいいヘッドホン イヤホンの見分け方を原理から解説/創造の館 Technical Report

密閉型の得意と不得意: ハウジングもイヤーパッドも閉じた作りが密閉型で、低いほうは0Hz近くまで出せる代わりに、共振点より上——中高域は落ちていく。その共振点は100Hz付近とされ、原理だけでいえばこもった音になるはずの方式だと説明している。

こもりを補う仕掛け: それでも中高域が聞こえるのは細工があるから。振動板の手前に穴の開いたカバーを置いて共鳴で高いほうを足し、通気性のある素材と穴で背面に出た低音を前へ回り込ませて打ち消している。素材の抵抗の強さで、打ち消す量を加減している。

遮音性という取り柄: この方式の長所は外の音を遮ることで、だから録音現場のモニターに使われる。裏返すとじっくり鑑賞するための音は期待しにくい。後ろに穴を開けて空気を逃がすと低音が盛り上がるので、重低音を売りにした機種はたいていその形になっている。

聞き比べと慣らし: 取っ替え引っ替え聞くと直前の音に耳が引っ張られ、同じ機種が違って聞こえる。休んで耳を戻しながら比べるとよい。買った後の違和感が慣らし込みで消えることはほぼなく、変わるのはイヤーパッドが潰れて密着が良くなり低音が増える分だとしている。