肌につく泡

肌ざわりと泡

泡は、溶けきれなくなった二酸化炭素です。地下で溶けこんでいた分が、体や浴槽の面を核にして、そこで気体に戻ります。

どう見えるか・どう感じるか

湯に入ってしばらくすると、腕や脚に粟粒ほどの細かい泡がびっしり付きます。指でなでるとすぐに離れて浮き上がり、じっとしていると数分でまた同じ面に付き直します。泡は体だけでなく浴槽の壁や底、湯口のまわりにも並びます。気泡発生装置が送りこむ泡が水面へまっすぐ上っていくのに対し、こちらは面にとどまって少しずつ育つのが見え方の違いです。湯面のほうは静かなままで、泡立って見えるとはかぎりません。

何がそうさせているか

湯に溶けていた遊離二酸化炭素が、その量のままでは溶けていられなくなるためです。地下の高い圧力のもとで溶けこんだ気体は、地上に出て大気圧に戻ると溶けられる量が減ります。あふれたぶんが気体に戻るとき、水の中だけで泡を作るには大きな力が要るので、肌の産毛や浴槽の細かい傷のようなくぼみを足がかりにします。二酸化炭素が抜けること自体は、湯口の石灰華が育つ引き金でもあります。

出やすい泉質

二酸化炭素泉が代表で、療養泉の限界値は遊離二酸化炭素1kg中1000mg以上です(指針第1-3表)。温泉法別表の側は遊離炭酸250mg以上なので、温泉には当たるが泉質名は付かない湯でも泡は見えます。名前の似た炭酸水素塩泉は溶けているものがイオンで、そのままでは泡になりません。この取り違えは炭酸泉と炭酸水素塩泉は同じ?で扱います。どちらの数字も、湧出地で採った湯について測ったものです。

時間と空気でどう変わるか

二酸化炭素が水に溶けられる量は、温度が上がるほど小さくなります。ぬるい湯を加温して使えば、浴槽に届くまでに気体が抜け、泡の付きかたは弱まります。湯を空気に触れさせながら長く運ぶ場合も同じ向きに進み、湯口から遠い場所や、張ってから時間のたった湯では泡が減ります。加温しているかどうかは、温泉の利用状況の表示の掲示で確かめられます。ただし泡がどれだけ立つかは、その欄からは読めません。

どこまで確かめられているか

確かめられているのは、気体の溶けかたが温度と圧力で決まるところまでです。指針5-1が求めるのは知覚的試験でのガスの発生状況の記録で、泡の数や大きさを測る決まりはありません。遊離二酸化炭素はガス性の成分なので溶存物質計には入らず、成分総計の側で足されます。目の前の泡が湯の気体か配管から入った空気かは、見ただけでは分かれません。分析書の数字と湧出地での記録を合わせるところまでが手がかりです。