ぴりぴりする刺激
肌ざわりと泡
ぴりぴりは、水素イオンの多さの合図です。分析書のpHの欄の数字が小さいほど強く出て、湯の温度による熱さとは別の感じ方になります。
どう見えるか・どう感じるか
肌に触れた瞬間ではなく、少し浸かってからちりちりと刺すように感じられます。強い湯では目に入るとしみ、口に含むと酸味があります。ひげそりのあとや小さな傷では、ほかの場所より先に感じ取れます。同じ湯でも当たる場所によって強さが変わり、皮膚の薄いところほど早く分かります。分析書ではpH値の欄がこの感じ方に直につながる数字で、湧出時の値が小さいほど強く出ます。
何がそうさせているか
湯の中の水素イオンが多いためです。療養泉の酸性泉は水素イオンを1kg中1mg以上含むもので(指針第1-3表)、pHは対数の目盛りですから、1違えば水素イオンの量は10倍動きます。もとをたどれば、火山ガスに含まれる塩化水素や、硫化水素が酸化してできた硫酸が水に溶けたもので、火山ガス吹き込み型温泉がその成り立ちに当たります。同じ源でも、地表までの間に薄まれば感じ方は変わります。
出やすい泉質
酸性泉がこの感じ方の中心で、掲示用泉質名の頭に酸性と冠されます。液性の区分はそれとは別の欄で、指針は湧出時pH3未満を酸性、3以上6未満を弱酸性とします。水素イオン1mgはpHでおよそ3に当たるので、泉質名の側と液性の側はほぼ重なります。硫黄を伴えば硫黄泉の名も並び、そちらはにおいのほうが先に気づかれます。二つの区分は、同じ湯について分析書に並記されます。
時間と空気でどう変わるか
酸のもとが硫酸であれば、蒸発では抜けません。空気に触れても薄まらず、湧出から時間がたっても感じ方はあまり弱まりません。一方で加水をすれば水素イオンは薄まり、pHの数字は大きい側へ動きます。硫黄を多く含む湯では、指針の第7章が述べるとおり空気酸化で硫酸イオンが生じるため、置いたぶんだけ酸の側へ動くこともあります。掲示の数字は湧出地で測った値です。
どこまで確かめられているか
数字の側は確かめられます。pHは電極で測る値で、指針は湧出地での測定と分析書への記載を定めており、pH値の欄で同じ数字を読み直せます。定まっていないのは、その数字と感じ方の強さの対応で、皮膚の状態や場所で変わるため目盛りにはなりません。熱い湯の痛みや肌につく泡のちくちくする当たりも似るので、刺激だけで酸性と決めることはできません。