育てる作物図鑑 | オトモアグリ

ナスは、株が大きくなるほど水から吸い上げる量も増える作物です。

ナス
写真: Usien / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

向き

条件つき

系との相性

FAO 589 は、根が深く張るためメディアベッドに向くとし、1株から10〜15果、合わせて3〜7kgとしています。窒素とカリウムの要求が高く、株数は床の広さではなく、魚の量と餌の量から決めます。Fidji ら(2026)は、ナイルティラピアとアフリカンキャットフィッシュを混ぜた系でナスを106日育て、魚の比を変えても収量に差は出なかったと報告しました。つり合いは魚と野菜のつり合いは餌の量で決まる?にまとめています。

メディアベッド
トロ舟
メディアベッド写真: Penguinponics / CC BY 4.0
ナイルティラピア
ナイルティラピア写真: Bjørn Christian Tørrissen / CC BY-SA 3.0

必要な養分

硝酸態窒素(NO₃-N)とカリウム(K)をよく取ります。窒素は餌からアンモニアへの道筋を通って回ってきますが、カリウムは餌からほとんど来ません。カルシウム(Ca)と鉄(Fe)も外から足す側です。FAO 589 は pH を上げる資材を炭酸カリウムと炭酸カルシウムで替えると書いています。フロリダ大学の温室野菜の手引きは、カリウムは根が能動的に吸う一方、与えすぎるとカルシウムとマグネシウムの取り込みを妨げるとしています。

出やすい不調

FAO 589 は9〜10℃を下回るか30〜32℃を超えると生育が大きく落ちるとしています。葉が黄ばんだときは、新芽だけが黄色く、葉脈が緑に残るなら鉄、古い葉の縁から枯れ込むならカリウムと分かれます。オーストラリアの栽培者 Rob さんは、餌を減らした冬に葉脈の間が黄色くなり、鉄とマグネシウムの不足を疑って足したと話しています。実は10〜15cm、皮につやがあるうちに採ると株の疲れが軽くなり、次の花も続きます。

収穫までの目安

発芽8〜10日(25〜30℃)、生育は90〜120日で、果菜では長い側です(FAO 589)。日中22〜26℃、夜15〜18℃、湿度60〜70%、pH は5.5〜7.0 が目安になります。愛知県農業総合試験場の施設ナスの手引きは、開花からの積算温度が果実の肥大を大きく左右するとしています。気温が低ければ、同じ日数でも実は太りません。季節の終わりに枝を3本残し、20〜30cmで切り戻せば株を抜かずに次へつなげられます。

解説動画

視聴済み

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塚原農園

の解説動画

ナス植えたら最初にコレやるだけで1株から500個収穫できます!(3本仕立て〜芽かき〜誘引)【ナスの育て方・栽培方法】23/5/2

3本の決め方

仕立ての骨格から入ります。一番太い茎を1本残し、そのすぐ下から強く出た脇芽を2本目にする。3本目はさらに下の節から強く出た枝で、無ければ一番花より上に出た枝でよいとしています。この3本を収穫が終わるまで伸ばす形で、品種が変わっても仕立て方は同じだと述べます。枝を選ぶところはおおよそでよいそうです。

脇芽は小さいうちに

植え付けから2週から3週で、下の節から脇芽が次々に出てきます。2、3cmのうちなら指でつまんで横にひねるだけで取れる。10cmや15cmまで伸ばしてから取ると株に負担がかかり、背丈が伸びなくなると言います。株元の20cmから30cmをすっきりさせると風が通り、うどんこ病や灰色かび病から株を守れます。

一番花は早く採る

裏技として挙げるのが一番花です。最初に咲いた花には小さくても実をつけさせると、実をつける側へ性質が切り替わるという説明でした。ただし売り場で見る大きさまでは育てず、5cmほどで切り取る。最初の1個から3個は小さいうちに早採りしてしまい、木を作ることを先に置く、という順で話しています。

肥料の加減と寒さ

元肥が入っていれば2週から3週のあとの追肥はまだ要らないと言います。与えすぎるとアブラムシやアザミウマが寄るためで、生育が鈍り葉の色つやが落ちてから足せばよい。もう一つが寒さで、朝晩の冷えと強い風に当て続けると背丈が伸びず、咲く花の数が極端に減るとして、5月下旬までは風よけを戻します。

欲しがってから足す

支柱は枝の側ではなく支柱の側で結び目を作ると擦れて傷がつかない、というところまで見せて終わります。この本にとって効くのは足りなくなってから足すという順で、そこは硝酸態窒素(NO₃-N)のように、餌の量が先に決まって養分が後から追ってくる系の読み方と重なります。

出典: 塚原農園(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 論文・英語 Fidji JKG ほか(2026) Integrated Aquaponic Co-Culture of Nile Tilapia and African Catfish: Effects on Plant Yield, Fish Growth, Nutrient Profile, and Heavy Metal Accumulation
  2. 公的機関・英語 George Hochmuth・Robert Hochmuth(フロリダ大学 IFAS Extension) Fertilizer Management for Greenhouse Vegetables(Florida Greenhouse Vegetable Production Handbook, Vol. 3)
  3. 公的機関 愛知県農業総合試験場 園芸研究部 野菜研究室・愛知県経済農業協同組合連合会 営農総合室 ナスにおける環境制御ガイドライン
  4. 動画・英語 Rob Bob's Aquaponics & Backyard Farm Aquaponics Eggplant Harvest & Winter Nutrient Deficiencies