月明かり

空の明るさ

夜空をいちばん明るくするのは街ではなく月で、満月の前後は淡いものから順に消えます。

数字の意味

月が空にいる夜の背景の明るさを、自然にある最も強い夜の光源として扱う項目です。満月の見かけの等級はおよそマイナス12.7等で、問題になるのは月の姿ではなくその光が大気に散らされて空全体を白くすることです。満月を扱う項目とは分担が違い、こちらは月が出ているせいで何が見えなくなるかの側を引き受けます。

実際の値の目安

月の満ち欠けはおよそ29.5日で一巡し、その周期がそのまま背景の明るさの周期になります。クリスキュナスとシェーファーは1991年、マウナケア山での実測から月明かりの予測式をまとめました。ローウェル天文台のスキフはフラッグスタッフの満月時に天頂がおよそ18等毎平方秒角、欧州南天天文台のパタは月の無い平均21.6等毎平方秒角と、それぞれ測っています。三日月ほどの細さなら、影響はほとんど残りません。

値が動いたときの変化

淡いものから順に落ちます。天の川と黄道光が最初に沈み、次に星雲や銀河が背景へ溶け、最後まで残るのは明るい恒星と惑星です。肉眼の限界等級は満月の夜に一等から二等ぶん浅くなり、目の慣れも進みきりません。月そのものと月の欠け際の地形をたどるなら月明かりは味方で、見たいものによって良し悪しが入れ替わります。

自分で確かめる方法

同じ場所で、満月の夜と月の無い夜に同じ星域の星を数えて突き合わせます。こぐま座のように一年中見える範囲を選ぶと、季節の違いが混ざりません。数える前に二十分以上は明かりを見ないでおき、向く方角も毎回そろえます。月が沈んだあとから明け方の薄明が始まるまでが、月の影響を外して比べられる時間帯です。

出典

  1. 論文・英語 Krisciunas and Schaefer(Publications of the Astronomical Society of the Pacific)(1991) A model of the brightness of moonlight
  2. 論文・英語 Patat(欧州南天天文台)(2003) UBVRI night sky brightness during sunspot maximum at ESO-Paranal
  3. 資料・英語 Brian Skiff(ローウェル天文台) The Brightness of the Night Sky