さわると困ること図鑑

アレルギー性接触皮膚炎(かぶれと皮膚炎)

アレルギー性接触皮膚炎は、触れた翌日以降、触れた形のまま強いかゆみと赤みが出ます。触れてから1〜2日以上あいて、触れた面に沿った形でかゆみの強い紅斑や小さな水疱が出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の7.2はこれを感作が成立した人にだけ起きる遅延型のアレルギーと説明しています。…

刺激性接触皮膚炎(かぶれと皮膚炎)

刺激性接触皮膚炎は、感作がなくても、触れた量と時間だけで、その場で起きる反応です。触れた直後から数時間のうちに、ヒリヒリした痛みと境界のはっきりした紅斑が出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の7.1は、感作を必要とせず、刺激の量と濃度と接触時間で決まる反応として扱います。強い刺激なら一度で…

接触蕁麻疹(かぶれと皮膚炎)

接触蕁麻疹は、触れた場所に数分で膨疹が盛り上がり、多くは1日以内に跡なく消えます。触れた部位に数分から30分ほどで、かゆみを伴う膨疹と紅斑が出て、多くは24時間以内に跡を残さず消えます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の付章は、これを非アレルギー性・アレルギー性・機序未定の三つに分けています。…

光毒性接触皮膚炎(かぶれと皮膚炎)

光毒性接触皮膚炎は、汁の付いた場所に日が当たって初めて、日焼けに似た赤みが出ます。植物の汁が付いた肌に日光が当たると、数時間から1日ほどで日焼けに似た紅斑と水疱が出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の7.3は、感作を必要とせず、付いた量と浴びた光の量で決まる反応として扱います。…

ウルシオール(かぶれと皮膚炎)

ウルシオールは、ウルシ科の樹液に含まれる抗原で、乾いた樹液や煙からもかぶれます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の表13は、接触すると2〜3日後から強い痒みが出て、浮腫性紅斑や水疱を生じ、線状に配列すると記しています。ジャパニーズスタンダードアレルゲンの陽性率は報告ごとに14.7%、8.5%…

ギンナンの外種皮(かぶれと皮膚炎)

ギンナンの外種皮は、イチョウの雌株が秋に落とす実の、果肉状の外側の部分が原因です。外種皮の果肉に触れると、1〜2日ほどあいて手や前腕にかゆみの強い紅斑と水疱が出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の表13は原因物質をギンゴール酸とビロボールとし…

セスキテルペンラクトン(かぶれと皮膚炎)

セスキテルペンラクトンは、ヨモギなどキク科の葉と花に含まれる、かぶれの抗原です。キク科に触れて1〜2日あいてから、かゆみの強い紅斑と丘疹が出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の表13は抗原をアラントラクトンやアルテグラシンAを含むセスキテルペンラクトン類とし…

ファルカリノール(かぶれと皮膚炎)

ファルカリノールは、ヤツデやキヅタなどウコギ科の汁に含まれる、かぶれの抗原です。ウコギ科の茎や葉柄を折ると出る汁に触れ、1〜2日あいてからかゆみを伴う紅斑や水疱が出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の表13は、ウコギ科の抗原をファルカリノールとしています。手のひらより手の甲や前腕に出やすく…

シュウ酸カルシウムの針状結晶(汁と樹液)

シュウ酸カルシウムの針状結晶は、痛みの正体が毒ではなく、針のような形にあります。汁の付いた指先に、触れてすぐチクチクとした痛みと赤みが出ます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の表13は、サトイモ科を機械的刺激の列に置いています。針状の結晶が束のまま細胞から飛び出し、皮膚に細かい傷をつくるためで…

プロトアネモニン(汁と樹液)

プロトアネモニンは、キンポウゲ科の汁の刺激成分で、生の茎を折った直後に強く出ます。汁の付いた場所に、数時間のうちに赤みとヒリつきが出て、続いて小さな水疱が並びます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』の表13は、キンポウゲ科の刺激成分としてプロトアネモニンを挙げています。…

白い乳液(汁と樹液)

白い乳液は、トウダイグサ科やキョウチクトウ科の出す汁で、乾く前に洗い落とします。白い汁の付いた皮膚は、赤くなってヒリつきます。トウダイグサ属の乳液では、庭仕事中に樹液へさらされた76歳の男性が、まぶたの周りの皮膚炎と両眼の角膜むくみを起こした症例があります。イチジクでは、剪定や摘み取りのあとに日に当たって…

チュリパリン(汁と樹液)

チュリパリンは、チューリップの球根の外皮を素手で扱い続けた指先が、乾いて荒れます。指先と手のひらが乾いて硬くなり、指紋のあたりからひび割れていきます。一度で出るというより、扱い続けた数日から数週間でできあがる形が典型です。…

ロジン(汁と樹液)

ロジンは、公園のマツのヤニが固まったもので、かぶれの原因として登録されています。ヤニの付いた手や前腕が、1〜2日おいてかゆみを伴う赤みになります。ロジンはマツの樹脂から揮発分を除いた残りが固まったもので、日本接触皮膚炎学会のジャパニーズスタンダードアレルゲン2015に「ロジン(精製松脂)」として収められています。…

汁が目に入ったとき(汁と樹液)

汁が目に入ったときは、こすらずに流水で洗い流してから、その日に眼科にかかります。汁が入った直後から強い痛みと涙、まぶしさが出て、目を開けていられなくなります。トウダイグサ科とキョウチクトウ科の乳液は角膜の表面を傷めるおそれがあり、見えかたのかすみが数日残ることもあります。こすると傷が広がるため…

イラクサの刺毛(毛とトゲ)

イラクサの刺毛は、触れた瞬間に刺すように痛み、多くはその日のうちに跡なく引きます。触れた面に数分のうちに刺すような痛みとかゆみが出て、白っぽい膨疹が並びます。日本皮膚科学会『接触皮膚炎診療ガイドライン2020』はイラクサ科の成分にヒスタミン、アセチルコリン、セロトニンを挙げます。刺毛は先端が折れて注射器のように刺さり…

折れて残るトゲ(毛とトゲ)

折れて残るトゲは、抜いたつもりでも先だけ皮膚に残り、数週間おいてから赤く腫れます。刺さった直後の痛みが引いたあと、数日から数週間おいて同じ場所が赤く腫れて押すと痛むようになります。サボテンの棘が皮膚に残った84歳の男性の症例報告では、3mmほどの赤い丘疹の中央から棘が出ていましたが、痛みもかゆみもなく…

葉のふちで切る傷(毛とトゲ)

葉のふちで切る傷は、ススキやオギの硬い鋸歯に指を滑らせて、細く深い傷になります。定規で引いたような直線の切り傷が、指の腹や指の間にできます。薄い縁が滑るため切った瞬間の痛みは小さく、血がにじんで初めて気づくことが少なくありません。傷は幅1mmに満たないのに皮下まで達していることがあり、口が閉じにくい形で残ります。…

スポロトリコーシス(毛とトゲ)

スポロトリコーシスは、土の中の真菌がトゲの刺し傷から入って起こる深在性の感染です。刺し傷が治らないまま、数週間かけて赤いしこりが増えていきます。最初に刺した場所が固く盛り上がり、そこから腕の内側へ数珠つなぎに結節が並ぶのが典型で、皮膚のリンパ管に沿って上へ進みます。熱は出ず…

竹のささくれ(毛とトゲ)

竹のささくれは、縦に細く裂けた繊維が皮下に残るため、見えないのに押すと痛みます。刺さった瞬間は小さな痛みで済みますが、繊維が皮下に残ると押したときだけ痛む一点が居座ります。竹は縦に細く裂ける繊維の束なので、木のトゲのような太い一本ではなく、髪ほどの太さの繊維が数本刺さる形になります。…

スイセンとニラの取り違え(口に入ったとき)

スイセンとニラの取り違えは、葉をちぎったときのにおいを確かめると、すぐ分かります。口にしてから30分以内という短い潜伏期のあとに、悪心、嘔吐、下痢、流涎(りゅうぜん)が出ます。厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』のスイセンの項が挙げている経過です。嘔吐が続いて水分がとれない状態になることがあり…

ヨウシュヤマゴボウの誤食(口に入ったとき)

ヨウシュヤマゴボウの誤食は、空き地の太い根と紫の実の、どちらでも中毒が起きます。口にしてからおよそ2時間で腹痛、嘔吐、下痢が始まり、延髄に作用してけいれんや意識の低下に進むこともあると厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』は記します。同資料の事例では7名が摂食後およそ2時間で嘔吐しました。…

チョウセンアサガオの誤食(口に入ったとき)

チョウセンアサガオの誤食は、野菜との取り違えで起き、口が渇いて瞳が大きく開きます。口にしてから数十分のうちにのどの渇きが始まり、続いて瞳孔が開いて物がぼやける状態になります。厚生労働省の資料は、チョウセンアサガオ類の中毒症状として口渇、瞳孔散大、意識障害や幻覚、頻脈、けいれんを挙げ…

アジサイの葉による中毒(口に入ったとき)

アジサイの葉による中毒は、嘔吐した事例だけがあり、毒の正体はまだ分かっていません。口にしてから1時間以内に嘔吐やめまい、顔面紅潮が出た事例が国内にあります。厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』のアジサイの項は、2008年6月13日につくば市の飲食店で料理に添えられた葉を口にした10人中8人が症状を訴えた例と…

子どもが実を口に入れたとき(口に入ったとき)

子どもが実を口に入れたときは、手を出す前に、中毒110番へ電話をかけて相談します。起きることは実の種類で変わります。少量では何も起きないことが多い一方、種類によっては嘔吐や下痢、まれに脈や意識に及ぶものがあります。当たりどころが赤い果肉とは限らないのがこの場面のややこしさで…