白い乳液
汁と樹液
白い乳液は、トウダイグサ科やキョウチクトウ科の出す汁で、乾く前に洗い落とします。
起きること
白い汁の付いた皮膚は、赤くなってヒリつきます。トウダイグサ属の乳液では、庭仕事中に樹液へさらされた76歳の男性が、まぶたの周りの皮膚炎と両眼の角膜むくみを起こした症例があります。イチジクでは、剪定や摘み取りのあとに日に当たって、赤い丘疹から水疱へ進んだ症例が報告されています。症例報告では、フロクマリンという成分の光増感作用が、細胞膜の損傷と浮腫を進めたとされています。
原因になる植物
街で白い汁を出すのは三つの系統です。トウダイグサ科は鉢のポインセチア、花壇のハツユキソウ、舗装の割れ目のコニシキソウまで幅が広く、刺激は最も強い部類にあたります。キョウチクトウ科のキョウチクトウは剪定の切り口からにじみ、枝を落とした手と衣類に付きます。クワ科のイチジクとヤマグワも同じ白い汁を持ち、こちらは葉柄を折ったところから出ます。
現場での対処
乳液は乾く前に洗い流します。固まると粘って落ちにくく、付いたままの手で顔に触れると被害が広がります。石けんをよく泡立てて洗い、爪の間も落とします。洗ったあとに冷やすとヒリつきが和らぎます。布で拭き取るだけでは薄く伸びるだけなので、水のある場所まで戻るのが先です。衣類に付いた分は洗濯まで分けて置き、同じ袖で目をこすらないようにします。
受診の目安
赤みが翌日には薄れていれば、そのまま様子を見ます。水疱ができた、痛みが強くて眠れない、広い面積に及ぶときは皮膚科を受診します。目に入った疑いがあるなら、皮膚の手当てより先に汁が目に入ったときへ進みます。イチジクの光毒性接触皮膚炎は、日光を受けたあとの赤みや水疱から疑い、皮膚科ではフォトパッチテストで確かめられます。重い例では、熱傷ユニットでの入院管理が必要になった報告もあります。
起こさないために
汁を出さない持ち方が最初の一手です。枝は折らずに切る、切り口を体から離して持つの二つで浴びる量が減ります。剪定ではニトリル手袋を着け、飛沫が顔へ向く高さの作業には保護メガネを足します。布の手袋は乳液を吸って内側へ移しますので、汁の出る木では向きません。切ったあとの枝を束ねるときにも汁は出るため、運び終えるまで手袋を外さないようにします。
出典
- 論文・英語 Kok LT ほか(2024) Exposure to Caper Spurge (Euphorbia lathyris) Sap: A Case of Ocular and Periorbital Toxicity
- 論文・英語 Pinto AR(2023) Fig Tree-Induced Phytophotodermatitis: A Case Report on the Perils of a Hobby
- 論文・英語 Mansilla-Polo M ほか(2023) Phytophotodermatitis as a clinical problem and as a therapeutic option
