折れて残るトゲ

毛とトゲ

折れて残るトゲは、抜いたつもりでも先だけ皮膚に残り、数週間おいてから赤く腫れます。

起きること

刺さった直後の痛みが引いたあと、数日から数週間おいて同じ場所が赤く腫れて押すと痛むようになります。サボテンの棘が皮膚に残った84歳の男性の症例報告では、3mmほどの赤い丘疹の中央から棘が出ていましたが、痛みもかゆみもなく、妻が先に気づきました。報告者は、有機物の棘はガラスや金属より炎症を起こしやすいと述べています。残った破片のまわりを体が包み込むと、植物性異物肉芽腫と呼ばれる硬いしこりになります。

原因になる植物

街の相手は生垣と空き地に集まります。トキワサンザシの枝先、ノイバラとカラタチの刺、ヒイラギの葉のとげ、サンショウやハリエンジュの皮刺と茎針が並びます。アメリカオニアザミは花の下まで硬い刺で覆われ、薄い軍手を貫いて刺さります。細く硬い刺ほど折れて残りやすく、枯れて茶色くなった枝の刺は見えにくいうえに脆く、地面に落ちたものを踏むことも起こります。

現場での対処

刺さった向きに逆らわず、まっすぐ引き抜きます。抜けたら洗って傷口を清潔にします。途中で折れた感触があったら、掘り出そうとしないで受診に回します。黒い点が皮膚に残って見える場合は先が残っている合図です。抜いた刺は捨てずに持っていくと、深さと種類の見当がつきます。土の付いた刺の深い刺し傷は破傷風の入口にもなります。

受診の目安

抜けきらない、痛みが数日たっても続く、赤みと熱を持って腫れるときは受診し、残った破片の摘出を相談します。サボテンの棘が入った症例報告では、黒い点のあるかかとから局所麻酔で複数の棘が除かれました。ヤシの棘が膝に残り、6週間後に感染性関節炎で入院した14歳の症例もあります。傷が数週間治らず、腕にそって小さなしこりが並ぶ場合はスポロトリコーシスの項を見て、皮膚科で真菌の検査を受けます。

起こさないために

刺のある枝へ手を入れない段取りにします。綿の軍手は細い刺を通しますので、生垣の手入れにはニトリル手袋の上へ厚手を重ねるか、革の手袋を使います。枝は手で押さえず、道具で寄せてから切ります。落ちた刺は地面にも残りますので、作業のあとは足元を掃いて、落ちた刺ごと刈った草と剪定枝の始末へまわします。子どもの遊び場に面した生垣では、刺の落ちる範囲まで見ます。

出典

  1. 論文・英語 Suárez A, Freeman S, Puls L, Dellavalle R(2010) Unusual presentation of cactus spines in the flank of an elderly man: a case report
  2. 論文・英語 Bernardes Filho F, Towersey L(2018) Young man with painful black dots on left foot
  3. 論文・英語 Kratz A, Greenberg D, Barki Y, Cohen E, Lifshitz M(2003) Pantoea agglomerans as a cause of septic arthritis after palm tree thorn injury; case report and literature review