ヨウシュヤマゴボウの誤食
口に入ったとき
ヨウシュヤマゴボウの誤食は、空き地の太い根と紫の実の、どちらでも中毒が起きます。
起きること
口にしてからおよそ2時間で腹痛、嘔吐、下痢が始まり、延髄に作用してけいれんや意識の低下に進むこともあると厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』は記します。同資料の事例では7名が摂食後およそ2時間で嘔吐しました。皮膚に汁が触れたときは発疹が出ることがあると米国の中毒センターは案内し、中国の症例報告では生の葉を炒めて食べた50代の女性が33時間後に多臓器不全で亡くなった例があります。
原因になる植物
北アメリカ原産のヨウシュヤマゴボウです。有毒成分はフィトラッカトキシンで、同資料はフィトラッカゲニンをアグリコンとする数種の配糖体、つまりサポニンの混合物としています。有毒部位は果実と根で、大根ほどに太る根が取り違えを大きくします。相手はキク科のモリアザミで、その根が「ヤマゴボウ」の名で扱われてきたため、名前が同じという理由だけで掘られた例が報告されています。
現場での対処
口の中のものを出し、水でゆすぎます。背中をたたいて吐かせることはしません。根か果実か、どれくらいの量か、いつかを書き出してから、日本中毒情報センターの中毒110番に相談します。電話の前にそろえるものは子どもが実を口に入れたときで扱っています。紫の果汁が手や服に付いただけなら石けんで洗い、洗う前の手で目をこすらないようにします。目に入ったときは汁が目に入ったときへ移ります。
受診の目安
根をかじった場合は、症状が出ていなくても相談します。果実を数粒口に入れた程度でも、体の小さい子どもでは影響が出やすく、様子を見る側には置きません。嘔吐と下痢が続いて水分がとれない、ぐったりする、けいれんや意識のもうろうがあるときは救急を含めて考えます。持って行くのは口にした部位そのもので、根なら切れ端、果実なら房ごと持参すると確かめが早く進みます。
起こさないために
紫の実を子どもの手に渡さないところから始めます。房ごと垂れ下がり、つぶすと色水になるため、遊んでいるうちに口に入る経路ができます。空き地やフェンス際の株は根が太いほど古く、掘れば大きく見えますが、名前が似ているという理由で掘り起こす株ではありません。街なかの株は土地の持ち主のもので、空き家の庭木と同じ扱いになります。実の付いた枝を持ち帰らないことも、家で口に入る機会を減らします。
出典
- 論文・英語 Xu H, Zhou H, Wang Q, Wan S, Chen W, Hu J, Zhao S(2025) Description of a fatal case of acute Phytolacca americana poisoning due to leaf ingestion in China
- 公的機関・英語 Northern New England Poison Center Pokeweed/Pokeberry
- 公的機関 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:ヨウシュヤマゴボウ(詳細版)
