薪・焚き火図鑑 | オトモネイチャー

サクラは、煙の香りが甘い燻製向きの薪。

サクラ
サクラのスモークウッド
写真: KENPEI / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

特徴

樹皮に横向きの筋のような皮目が並ぶのが見分け方で、街路樹や果樹園の剪定で出た枝が薪として流通します。材は程よく緻密で扱いやすく、割るとほのかに甘い香りが立ちます。ソメイヨシノでも山桜でも、薪としての扱いは大きく変わりません。

燃え方

火付きも火持ちも中くらいで癖がなく、燃やすと甘く香ばしい煙が出るのがこの木らしさです。よく乾いたものほど煙が穏やかで、逆に生木に近いと煙が濃くなりすぎて、食材に苦みが移ってしまいます。アメリカのユタ州立大学の資料によると、近縁種のチェリー(北米のサクラ属)の薪は火の粉が少なく、熾火の質も香りの評価も高いとされています。

向いている使い方

香りを生かした燻製や網焼きがいちばんの得意分野です。熾火にしてから小さめの一片を足すと、煙が細く長く出て食材に香りがのります。ベーコンや鶏肉、チーズなど味の輪郭がはっきりした素材と合わせると、この木の持ち味がよく分かります。アメリカの乳製品科学誌の実験では、チェリー材の煙で燻したチーズがフルーティーな香りで特徴づけられ、ベンジルアルコールが鍵の香り成分とされました。

サクラのスモークウッド

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CAMP HACK

の解説動画

桜チップでベーコンとチーズを熱燻する

概要

燻製(スモーク)はハードルが高いと思われがちだが、実は手をかけずにおいしいものができる料理だという立場で進む。動画では桜のチップを使い、ベーコンとチーズと卵、さらに醤油やスモークチキンまで作っていく。食材を並べて煙を出したら待つだけで仕上がることを、キャンプ用の小さなスモーカーと家庭のコンロの両方で実演している。

熱燻・温燻・冷燻の使い分け

燻し方は大きく三つに分かれる。八十度以上で十分から四十分の熱燻はコンロやバーナーの熱源が要り、使うのはチップである。三十度から八十度で一時間から六時間の温燻は熱源が不要で、スモークウッドに直接火をつける。十五度から三十五度で二週間から一か月の冷燻は温度管理が難しく上級者向けとされる。

桜をはじめとするチップの香り

桜は香りが強くてどんな食材にも合うチップで、なかでも肉と魚におすすめだと紹介している。オニグルミの木であるヒッコリーも肉と魚向き、ウイスキーオークは甘い香りで鶏肉や白身魚に合う。ほかにリンゴや檜もあり、迷うなら何にでも合う広葉樹のブレンドから始めるとよい。煙さえ出ればよいので茶葉や紅茶でも燻製はできる。

桜チップで実際に燻す手順

鍋の内側とチップの下をアルミホイルで覆っておくと汚れもにおいも残りにくい。食材はキッチンペーパーで水気をしっかり拭き、チーズは溶けて落ちるのでホイルで皿を作ってから載せる。チップを多めに敷いたら強火にかけ、煙が上がったら弱火にして蓋をする。十分で色も香りもしっかり乗った状態になった。

チップの始末とにおい対策

十分燻したあとでもチップにはまだ火が残っているため、使い終わったら必ず水を入れて完全に消してから捨てる。鶏もも肉を燻すときは落ちた油でチップの火が消えるので、チップの上にもう一枚アルミホイルをふわりと被せて空気の逃げ道だけ残す。家で行う場合は換気扇の汚れよりもにおいが問題で、近隣への配慮が要ると述べている。

出典: CAMP HACK(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 公的機関・英語 Utah State University Extension(Forestry) Wood Heating
  2. 論文・英語 Rizzo PV, Del Toro-Gipson RS, Cadwallader DC, Drake MA(Journal of Dairy Science)(2022) Identification of aroma-active compounds in Cheddar cheese imparted by wood smoke

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