母音の統一
リズムと言葉
どの母音でも声の太さを変えないこと
どういう技術?
アイウエオは口の形も舌の位置も違うので、そのまま歌うとイで細く、ウでこもるといったムラが出ます。母音の統一とは、口の奥の広さと響く場所をどの母音でもほぼ同じに保ち、声色が段差なくつながって聞こえる状態にすることです。言葉を消してしまう技術ではなく、太さだけをそろえる作業です。
やり方
「ア」で楽に出る高さを1つ選び、その喉と口の奥の広さを保ったまま唇と舌先だけでアエイオウと動かします。あごは動かしません。スマホの内カメラを見て、あごの位置が上下していなければ形は保てています。歌詞の中では伸ばす音の母音だけをそろえれば十分で、短い音は言葉を優先します。
練習のしかた
間奏のあいだや次の人の曲を待つ30秒で足ります。同じ高さでアエイオウを4拍ずつ出し、太さが変わらないかだけを聞きます。いつも詰まる高さで試すと差がはっきり出て、直すべき母音が1つに絞れます。ムラが消えるまでは年単位で、体調によって前の日から戻ることもあります。
やりがちなミス
そろえようとして全部を「ア」寄りにすると、何を歌っているか分からなくなります。母音は判別できる範囲でそろえるのが目的です。「イ」を無理に広げると喉が上がって硬くなる人もいるので、共鳴腔の感覚と照らしながら少しずつ調整し、痛みが出る日は中断してください。
解説動画: 母音の純化 vowel modification ※本当に大事‼︎ it's so important/USYミュージックスクール
母音は前から奥へ並ぶ: 日本語の5つの母音は、口の形も舌の位置もい→え→あ→お→う の順で前から奥へ動くと整理します。いがいちばん狭く、おやうでは奥に向かって開く。この並びどおりに歌えれば母音の歪みが取れて、歌詞がきれいに伝わるという立て方です。
高音ほど口の中を広げる: 同じ母音でも、高い音では低音や中音より口の中を開けるサイズを増やすよう指示します。開きが足りないまま上へ行くと声が喉に入ってしまう。日本人は口の使い方が狭いと言われる、という前置きつきで、男性と女性それぞれの音域で同じ動きを繰り返させます。
舌根が上がると苦しい: 高音へ向かうにつれ舌の奥(舌根)が持ち上がることを、直すべき悪い癖として名指しします。とくにあは舌根がいちばん上がりやすく、あだけで練習しても癖は取れない。喉が詰まる感覚の出どころをここに置いています。
ウのあとにエを言う: 直し方は母音の組み合わせでした。うは舌根がいちばん下がる母音なので、うの形のままエへ渡す。そうすると舌根が下がった柔らかいエが手に入り、高音が楽になるという順序で説明します。実演も「ウー」を出してから続けてエへ移る形で、男性と女性それぞれの音域で行っていました。
下降形から先に覚える: 練習は音が下がっていく形から始めるようすすめます。上行形では音程と一緒に舌根も上がってしまうため、まず下がる動きで舌根が下りた状態を体に入れ、それから上行形へ移す。この順番のほうがやりやすいという言い方でした。