タメの作り方
リズムと言葉
音符より少し遅らせて入る歌い方
どういう技術?
楽譜どおりの位置よりわずかに遅れて声を置き、そのぶんを後ろで取り戻す歌い方です。遅らせる量は0.05〜0.1秒ほど、速い曲なら16分音符ひとつ分にも届かない幅で、聞き手は遅いとは感じずに余裕があるように聞こえます。ためた分をどこかで返さないと、伴奏から本当にずれていくのが厄介なところです。
やり方
対象はフレーズの1文字目だけにします。ドラムが鳴った瞬間ではなく、その音が減衰し始めたあたりで息を出します。2音目からは元の位置に戻し、ロングトーンは伸ばしきらずに切ると次の入り口へ間に合います。まずはテンポの遅い曲から試すほうが、遅れの幅を耳で確かめやすいです。
練習のしかた
同じ曲を続けて2回歌うのが手早い方法です。1回目はガイドメロディを入れてぴったりの位置で合わせ、2回目は切って出だしだけ遅らせます。録音機能があれば聞き返し、遅れが1音に収まっているかを確かめます。伴奏が薄い曲のほうが判断しやすく、使いどころが分かるまでには半年ほどかかる人も珍しくありません。
やりがちなミス
全部の音をためると、それは表現ではなくただの遅れになります。採点のある機種では早入りと遅れとして拾われやすく、点と表現が正面からぶつかる場面です。バラードのようにテンポの緩い曲では効きますが、速い曲や大人数で声をそろえる場面では合わせにくいので、ひとりで歌うときに試すのが無難です。
解説動画: 【リズム感テスト】違いがわかればセンス有り!あなたの才能を格付けチェック 【解説:前ノリと後ろノリとは?】/Bucket Banquetビスたん
前ノリ・後ろノリとは何か: 一言でいえばジャストのタイミングより早めか遅めかという話。話し手は自分の演奏を録音ソフトに取り込み、波形をグリッドと見比べて示している。完全に等間隔のグリッドから見ると実際の演奏はかなりずれているのに、耳で聞いた側は下手とも不安定とも感じない。
ジャストには幅がある: リズムが合っているとされるジャストなタイミングには、その前後にある程度の許容範囲がある。この幅の中でどこに音を置くかを選ぶことで聞いている人の印象をコントロールできる、というのが前ノリ・後ろノリの正体。許容範囲を出るとずれている・下手と感じられてしまう。
後ろに置くと印象が変わる: 後ろ寄りはグルーヴィー・歌心がある、どっしりして重心があると評されやすく、前寄りは鋭い、キレがあると言われやすい。ただし許容範囲を超えると裏返り、後ろはもたついている・勢いがない・乗りづらい、前は急ぎすぎ・音が軽いという印象に変わる。
ジャストが正解とは限らない: ぴったり真ん中がもともとのタイプという人もいて、正確だと評価される一方で人間味がない・面白みがないと言われることもあるという。正確なら良いとは限らず、それぞれに味がある——だからまず概念を知り、自分や人の演奏がどちらに寄っているかを意識して聴くところから始める。
自分のタイプを録って見る: 前後どちらに寄るかは、聴いてきた音楽やジャンルの好みだけでなく性格や人間性、その日の気分でも変わる。伸ばし方としては録音して波形で視覚化する自己分析が勧められている。話し手自身も、ドラムを始めてからの最初の10年間は違いが分からなかったと明かしている。