裏拍の取り方

リズムと言葉

1拍を2つに割った後ろ側に乗る感覚

どういう技術?

4拍子の曲は「1と2と3と4と」と数えられ、数字が表拍、「と」が裏拍です。日本語の歌詞は表拍に言葉が乗りやすい一方、近年のポップスや洋楽では裏拍にハイハットや手拍子が置かれていて、そこへ声を寄せると同じ音符でも走って聞こえなくなります。体の中で起きているのは、足で表を踏み、指先で裏を数えるという二重の動きです。

やり方

曲を入れる前に、椅子に座って足で1・2・3・4と踏み、足が上がりきった瞬間に指を鳴らします。鳴る側が裏拍です。次に曲を歌わずに流し、足は踏み続けたまま、指のタイミングに歌い出しの言葉が来るかを探します。手拍子も裏で打つと決めておくと、歌のほうが自然にそこへ寄っていきます。

練習のしかた

部屋に入って最初の1曲、5分をリズム合わせにあてます。1回目は歌詞を使わず「タ」だけで裏拍に当て、2回目に言葉を乗せます。手拍子が入る曲なら、サビの手拍子と自分の指が同じ位置かを確かめます。リズムの評価が前寄りに出なくなれば目安ですが、体になじむには数か月かかることもあります。

やりがちなミス

裏を意識するあまり全体が遅れてしまうのが、いちばん多い失敗です。裏拍は音を遅らせることではなく拍の中の位置を変えることなので、テンポそのものは保ちます。手拍子を打ちながら歌うと手に気を取られて声が細くなる人も多く、慣れるまでは足だけで数えるほうが安全です。

解説動画: 【リズム感を鍛える】歌のズレが瞬時に分かる、僕がお世話になってる練習方法です!/ゆーき先生of 歌ゼミ

独学で合否が分かる練習: 話し手自身がもともとリズム感が無く、家電量販店でドラムやベースが聞こえるヘッドホンを探すところまでやって、あらゆる方法を試した末に残ったのがこの練習だという。独学でやるなら合っているかを自分で判定できることが何より大事で、ずれた瞬間にすぐ分かるから勧めている、という前置きから始まる。

レベル1・クリックの裏で打つ: メトロノームの音に対して、自分は反対側で手拍子を打つ。これが裏を取るということ。BPM60なら機械の音は1秒に1回で、その真ん中に自分が入るので0.5秒間隔で音が2つ鳴っている状態になる。手で入りにくい人は、先に口で言ってみると掴みやすい。

合っているかは等間隔で分かる: 判定は耳でできる。ぴたりと裏に入っていれば機械の音と手拍子が均等に並んで聞こえる。少しでも速くなったり遅くなったりすると等間隔が崩れ、聞こえ方そのものが変わるので気づける。テンポ90あたりから外す人が出はじめ、120では手が機械と重なってしまう人が増える。90あたりから5刻みで上げ、60から140までクリアできるとよいという。

レベル2・クリックを裏で鳴らす: 次は逆で、自分が1・2・3・4と表を数え、機械のほうを裏に回す。うまく入るとクリックが後ろから追いかけてくるように聞こえ、合っている時は音がぴたりと決まって、少しずれるだけで変な感じがする。手本と一緒なら打てても一人だと難しいので、ここもゆっくりから練習するよう勧めている。

レベル3・クリックを裏にして歌う: 自分が表・機械が裏という状態のまま、そこに歌を乗せる。表に支えが無いので、一度ずれると立て直せずに崩れていく。話し手も実演の途中で突っ込んだ箇所があったと認めていて、普通にメトロノームに合わせるより自分のずれが見えるという。リズムの難しい曲ほどゆっくりから始めると粗が目立つ。