ミックスボイス

声の出し方

地声と裏声をつなぐ、段差の出ない中間の声

どういう技術?

地声の声帯を閉じる感覚と裏声の引き伸ばす感覚を同時に使い、切り替えの段差をならした声です。決まった一つの発声法というより混ざり具合の幅を指す呼び方で、地声寄りにも裏声寄りにも寄せられます。高い音を苦しそうに聞こえずに出せるのが利点で、サビの多い曲ほど差が出ます。

やり方

裏声で「ネイ」と少し鼻にかかった声を出し、そのまま音を下へ下げていきます。地声に落ちる直前の、細いのに芯がある感じが入口です。その位置を保ったまま少しずつ音量を足すと厚みが出ます。喉を締めて太くしないでください。太さは喉ではなく響きで作るものです。

練習のしかた

部屋の隅を向いて5〜10分。「ネイネイネイ」を換声点をまたぐ5音の幅で上下させ、段差の出る場所だけを録って聞き返します。滑らかにつながる日が来るまで数か月かかるのがふつうで、一日で身につく技ではありません。焦ると力みが癖になります。録音は毎回同じ位置で撮ると比べやすくなります。

やりがちなミス

説明する人によって「ミックス」の中身がばらばらで、同じ言葉が別物を指します。他人の感覚語を追いすぎるより、自分の段差が消える混ぜ方を録音で確かめるほうが早道です。出したあとに喉の奥が痛む、声が重く残るといったやり方は、うまくいっていない合図だと考えてください。

解説動画: 【 完全攻略 】 日本一わかりやすい ミックスボイス講座 ~ ボイストレーナーが 高い声で上手く歌いたい人のために 理論から 出し方・ 歌い方・ 判定までを実戦形式で教えます~/翔てんてー🎤SUCCESS VOICE LESSON

3つの声を混ぜる: 人の声を地声・裏声・ミドルボイスの3つに分けたうえで、ミドルボイスにはどちらとも混ざる性質があると説明する。混ぜたまま出せる高さまで伸ばした状態がこの声で、地声寄りなら地声ミックス、裏声寄りなら裏声ミックス。初心者はまず3つのうち1つを意識して出せる状態を目標にすればいい、という置き方をしている。

呼吸より先に姿勢: 最初に習うべきは呼吸だと思われがちだが、初心者がそこから入るのは遠回りだと言い切る。歌は運動で、声が出ないのは筋肉が動いていないからという立場。姿勢の作り方は3ステップで、肩を耳へ近づけて上げ、高さを保ったまま後ろへ引き、胸の前に張りを感じたまま肩を落とす。前後で声を伸ばせる秒数を測ると多くの人は伸びる。

準備運動と自分の限界: 歌っても声が続かないという悩みの8割は準備運動をしていないのが原因、と見ている。ラジオ体操や背伸び程度でよく、歌う日の朝にやっておくだけでもその日の喉の動きが変わる。もう1つの下ごしらえが、地声で出せる限界の高さを正確に知ること。地声と裏声の両方が出しやすい高さが、この声をつかみやすい高さになる。

見える舌から入る: 声帯や呼吸は自分で見えないので、独学で操作しようとすると詰みやすいという。代わりに鏡やスマホで見える舌の位置から入る。口を開けて喉の奥が見えるまで舌を下げ、上げ下げできるようにする。動きにくい人は、はーと声を出しながら胸を30秒ほど軽く叩いてほぐすと下がりやすくなる。

変な声がレベル1: 姿勢を整え、地声の限界の高さを出し、その喉のまま舌を上げる。変な声が出たら成功で、それがレベル1だと言う。自転車の補助輪が外れた状態なのでふらついて当たり前、裏声に転んでも構わない。ただし同じ1曲だけを練習し続けると癖になるので、1〜2週間やって何も変わらないなら手順のどこかが違う、という見立て。