裏声
声の出し方
息を多く含んだ、軽くて高いほうの声
どういう技術?
薄く引き伸ばされた声帯の、縁のあたりだけが振動する状態です。地声より少ない力で高い音に届く代わりに、息の消費は増え、音の芯は細くなります。働く筋肉の主役が地声とは違うので、切り替えの瞬間に1〜2音ぶんの段差ができ、そこが換声点と呼ばれる場所です。
やり方
口を軽く開けて「ホー」とふくろうの鳴きまねをすると、たいていの人は裏声が出ます。出たら息をぶつけずに細いままで長く伸ばし、そのまま少しずつ音を上へなぞってください。喉を鳴らそうとせず、あくびの手前の脱力を保つのが近道です。声が消えたときは音量ではなく息の速さを見直します。
練習のしかた
個室で3分、裏声の「ウー」を8拍伸ばすのを5本。鏡であごと肩が動いていないかを見て、音量はいっさい求めません。最初は息が漏れて音が細いのがふつうで、2週間ほど続けると芯が出てきます。喉が固まる日はリップロールを先に挟み、唇がなめらかに震えるようになってから裏声に戻ります。
やりがちなミス
弱い声だと思われがちですが、音量を出そうとすると即つぶれます。裏声は張るものではなく、足りないぶんはマイクとの距離を詰めて補うほうが確実です。また息を大量に使うので、息継ぎの場所を決めずに歌うと語尾で息が足りなくなり、音程まで一緒に落ちます。どこで吸うかを先に決めておくだけで、後半の安定は変わります。
解説動画: 【裏声の出し方】『火炎・白日・僕のこと』の超高音が歌えるようになる発声講座。/しらスタ【歌唱力向上委員会】
フクロウの鳴き真似から入る: 出し方の1つ目はフクロウの鳴き真似。苦しさのない澄んだ鳴き方をまねるだけで裏声が出てしまう人がいるという。コツは極端にやることで、口の奥も口も全部開けて全力で。恥ずかしければ誰も見ていないところでやればいい、と言い、ここを一番最初に試してほしいと勧める。
ため息に音程を乗せる: 裏声は出るが苦しい・詰まる人には、ため息を使う2つ目の方法。長く息を吐いて肺の空気を吐ききる。ただし頑張って吐こうとすると喉が閉まってしまうので、締めないまま流す。その息に少しずつ音程を乗せる。最初は弱い裏声で構わない、という前提で始める。
出るまでにかかる時間: 一撃で出る人もいるが、運動と同じと思って1週間から1か月は見ておくもの、と正直に言う。そのうえで注意がある。いろいろ試して3か月出ないなら声帯のトラブルの可能性がある。ポリープや結節は先に裏声のほうに出やすいので、耳鼻咽喉科へ、と勧める。
切り替えは直前の地声で決まる: 地声と行き来する切り替えは、切り替える瞬間ではなく一つ前の地声でほぼ決まる、というのが最大の指摘。強い地声から裏声は相性が悪いので、直前を柔らかく、音量を控える。それでもつながらないならエッジボイスを挟む。替える位置も歌い手と同じ場所でなくてよく、自分が一番楽に歌えるところを探す。
裏声は言葉が消える: 裏声の弱点は言葉が曖昧になること。特性上、母音がはっきり出ない。日本語の曲では唇を動かす必要があり、地声のときの5倍動かすつもりでちょうどいいという。裏声にも声量のあるクラシック寄りとウィスパーボイス寄りの2種類があり、曲で使い分ける。