地声
声の出し方
話し声の延長で出る、太くて芯のある声
どういう技術?
声帯の全体が厚く合わさったまま振動している声で、ふだんの話し声と同じ出し方です。息の圧に負けにくく、低音から中音にかけては芯のある太い響きになります。ただし高くなるほど声帯を引き伸ばす力が要るため、多くの人は話し声から5〜7音上がったあたりで頭打ちになります。
やり方
いすに深く座り、あごを軽く引いて「おはよう」とふだんどおり話してみてください。その声のまま母音をア、エ、オの順に伸ばせば、それが地声です。歌でも同じ位置から出すのがこつで、高い音が来たときにあごを上げて追いかけないこと。上を向くと喉が狭くなり、音は上がらず苦しさだけが増します。
練習のしかた
部屋に入って最初の5分は、無理のない中音域で「ドレミファソファミレド」を同じ音量のままゆっくり往復します。声が揺れずまっすぐ出る範囲が、その日の地声の守備範囲です。そこから1音ずつ上げ、力み始めた一つ手前で止めておくと、最後の曲まで声が残ります。
やりがちなミス
太い声を出そうとして喉に力を入れると、聞こえは大きくても数曲でかすれます。地声のまま高い音を押し上げるのが、いちばん喉を痛める道です。限界の2〜3音手前でミックスボイスへ早めに逃がすと、喉の消耗がぐっと減ります。かすれが数日続くようなら歌うのを休み、それでも戻らないときは耳鼻咽喉科で診てもらってください。
解説動画: 【ボイトレ】自分の声が地声なのかわからない 低い音が出ない ライトチェスト改善!【ノーチェスト】【ボイストレーニング】【チェストボイス】【カラオケ】/東本ボイストレーニング
低い音が出ない人の正体: 自分の声が地声か裏声か判別できず、みんなが出せる低さの音が出ない人は、日々の会話から裏声を主に使っている可能性が高い、と切り出す。割合は男性は少数、女性はおよそ5人に1人。普段使いの声なので自覚が薄いのが厄介で、高い声はよく出ると感じている人ほど当てはまる。
ライトチェストとノーチェスト: この状態を2つに分ける。ライトチェストは地声も少しは出せるが、主に使うのは裏声。ノーチェストは地声を出したことがないタイプで、自覚がいちばん薄い。高い声を張り上げて苦しかった経験や、声が裏返った経験がほとんど無いなら疑ってよいという。
マの音で自己チェック: 「マ」で音程を下げていく。地声が使えていれば、男性はG#2やA2、女性はE3やF3あたりまでは平均的に出るはず。そこで声が痩せる、音程自体が届かないならどちらかのタイプ。途中でコロッとひっくり返って重い声に変われた人はライトチェスト側だと分ける。
道を飛び移るイメージ: 裏声の道は高いほうは舗装されているが、低くなるほど細くなってそこが行き止まりになる。その脇に地声の道があり、低い音でいったん飛び移るのが第一歩。飛べたらその声のまま道を上へ引っ張り上げ、高くなっても裏声の道へ戻らないのがこの練習の肝になる。
呼び出す発音とエッジ: 重い声が出やすい発音を数種類挙げ、合うものは人によるので全部試すよう勧める。エッジボイスから声に移す手もあり、声を乗せた瞬間に張りが緩むのは失敗。地声は無理をした形ではなく普段使う声帯の形なので出すほど伸びる、裏声が強い人は遅れているわけではないと締める。