高すぎる予定利回り

商品の罠

よくある入口: ネット広告

利回りは、リスクの値段でしかない

どんな手口・どんな罠?

年8%や10%といった利回りが提示される商品です。詐欺とは限らず、実在する事業に投資している場合もあります。ただし高い利回りは、それだけの危険を市場が織り込んだ結果であって、うまい話ではありません。米国証券取引委員会(SEC)は、集団を狙う投資詐欺の注意喚起で、期待できる収益が大きいほど、お金を失う危険も大きくなると説明しています。

なぜ引っかかるのか

数字は比較しやすく、リスクは比較しにくいからです。3%と8%を並べれば8%を選びたくなりますが、その差が何に由来するかは表に出ていません。マドフ事件の本を書いた金融ジャーナリストは、YouTubeの書評番組で、マドフのファンドは年単位で損を出したことがないとされ、投資家は年10%ほどの利益を詳しく聞かずに受け取っていたと語っています。

見分け方のサイン

同じ時期の国債利回りとの差を見てください。差が大きいほど、そこには理由があります。Eltonら(2001年)は米国の社債の国債との利回りの差を調べ、貸し倒れの見込みで説明できたのはわずかで、州税が大きな部分を占め、残りは株式のリスクプレミアムを説明する要因と密接に関係していたと報告しています。「担保があるから安全」という説明は、担保の評価額と処分可能性を確認しない限り意味を持ちません。

こうなったらどうする

利回りではなく、最悪の場合に何が起きるかを先に聞いてください。貸付先が返せなくなったら、事業者が破綻したら、途中で解約したいときは。この3つに具体的に答えられない商品は避けるのが無難です。あわせて、金融庁の事業者検索で、名称や電話番号から登録の有無を確かめてください。登録業者の名をかたる無登録業者もいます。ファンドの販売業者も、登録や届出があっても金融庁が信用力を保証するわけではありません。

出典

  1. 公的機関・英語 米国証券取引委員会(SEC)(2013) Affinity Fraud: How to Avoid Investment Scams That Target Groups
  2. 論文・英語 Edwin J. Elton・Martin J. Gruber・Deepak Agrawal・Christopher Mann(The Journal of Finance)(2001) Explaining the Rate Spread on Corporate Bonds
  3. 動画・英語 Massachusetts School of Law at Andover(YouTube) Too Good to be True- The Rise and Fall of Bernie Madoff And His Ponzi Scheme, Part 1
  4. 公的機関 金融庁 詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!
  5. 公的機関 金融庁 いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について

解説動画: 若者に広がる「人を紹介すればもうかる」誘いに要注意!【啓発アニメ】国民生活センター/国民生活センター

勧誘の実演: 国民生活センターの啓発アニメ。生活費に困った大学生が、高校時代の先輩からオンラインの面談に誘われる。出てくるのは「まだ公表していない弊社の投資案件」「メモや録音は控えていただきたい」という言葉から始まる話。

提示される数字: 10万円で買った資産が数年で1億円を超える価値になることだってある、最先端AIに投資のプロの分析を加えたハイブリッド予想で的中率を飛躍的に向上させた——数字と技術用語で押してくる。中身の確認ができない話ほど、数字は大きくなる。

本当の収益源: パートナーになると他人をパートナーに選任する権利が与えられ、達成すると紹介料が発生する。しかもその人がさらに紹介すれば自分にも入る。数人見つけるだけで、あとは何もしなくても収益が入るという説明は、運用ではなく勧誘が収益源であることを自分で示している。

「怪しくないか」と聞いたら: 怪しいのではという問いに対し、「従来のネットワークビジネスとは違い、当社はパートナー方式なのでご安心ください」と返ってくる。名前を変えただけの説明で安心させにくるのが典型的な応答。