ナンピン地獄
売買の罠
よくある入口: 取引画面の中
平均取得価額は下がるが、損失額は増える
どんな手口・どんな罠?
値下がりした銘柄を買い増して取得単価(平均取得価額)を下げる行為です。計画的な積立と、感情的なナンピンはまったく違います。後者は、下がるたびに投じる金額を増やし、1銘柄への集中度を高めていきます。YouTube の解説(larry_lawliet)は、実際の損益に効くのは買い増しだけで、平均単価の再計算は頭の中の計算にすぎない、と説明しています。
なぜ引っかかるのか
買値に戻れば助かる、という考えから離れられないからです(処分効果)。大手ディスカウント証券の約1万口座を調べた Odean(1998)は、損が出た銘柄より利益が出た銘柄を売りやすい傾向を報告しました。平均取得価額が下がると含み損の率が小さく見え、状況が良くなったように錯覚しますが、損失の絶対額は増えています。買値へのこだわりはサンクコストの誤りとも呼ばれます。
見分け方のサイン
買い増しの理由が「下がったから」だけ。企業の価値が変わっていないのに価格だけ下がったのか、価値そのものが毀損したのかを区別できていない場合、それはナンピンです。損切りの位置を決めずに買っているときも同じです。きのり(FX の解説動画)は、ナンピンで勝ちが続くと得意技に思え、損切りの代わりにしていたと振り返っています。
こうなったらどうする
買い増す前に、この銘柄を今日はじめて見たとして、この価格で買うかを自問してください。答えがノーなら、買い増す理由は自分の買値であって、その銘柄ではありません。同じ問いは larry_lawliet と Tom King Trades の解説動画にも出てきます。1銘柄あたりの上限額と、損切りの位置を、買う前に決めておくと歯止めになります。
出典
- 論文・英語 Terrance Odean(The Journal of Finance)(1998) Are Investors Reluctant to Realize Their Losses?
- 動画・英語 larry_lawliet(YouTube) Averaging Down: Strategy or Logical Trap? 跌了就补仓,对不对?
- 動画・英語 Tom King Trades(YouTube) Tom's Trading Rules - Rule 7 - NEVER average down or add to a losing position!
- 動画 きのり(YouTube) 【FX基礎の基礎】 ナンピン無間地獄からの脱出