レバレッジの減価
売買の罠
よくある入口: 取引画面の中
上下に往復するだけで、資産が削れる
どんな手口・どんな罠?
レバレッジ型ETFやCFD(差金決済取引)など、日々の値動きを倍にする商品で起きる現象です。金融庁は、指数・指標の値動きの倍率を日次(1日)で達成するように運用されるため、2日以上の期間では指数の倍率にならないことがあると説明しています。指数が元の水準に戻っても、商品の価格は元に戻りません。上下動が激しいほど、目減りは大きくなります。
なぜ引っかかるのか
「2倍」という説明が、期間全体に効くと誤解されるからです。実際には1日単位で計算し直されており、複利の効き方が非対称になります。金融庁の例では、指数が1日目-20%・2日目+25%で2日間の合計は0%に戻りますが、2倍のレバレッジ指数は-40%・+50%で、2日間の合計は-10%になります。上げ幅が下げ幅より大きくても、合計では損失が残ります。
見分け方のサイン
指数は年初来プラスなのに、レバレッジ商品はマイナス。この現象が起きていたら、それが減価です。米国のS&P500の3倍レバレッジ型ETFは、2020年8月に指数がコロナ前の高値を回復した時点でも、32.7%のマイナスのままでした(The Plain Bagel、YouTube)。運用会社の資料に「長期投資には適さない」と明記されています。
こうなったらどうする
数日単位の道具として使うか、使わないかの二択で考えてください。米国の金融当局(FINRA)も、こうした商品は1営業日より長く保有する買い持ち戦略には向かないと注意喚起しています。長期保有を前提にした設計ではないので、「いつか戻る」という前提が成り立ちません。すでに大きく減っている場合、倍率を戻すには元の指数がそれ以上に上がる必要があります。
出典
- 公的機関 金融庁(2021) レバレッジ型・インバース型ETF等への投資にあたってご注意ください
- 公的機関・英語 FINRA(米国金融取引業規制機構) The Lowdown on Leveraged and Inverse Exchange-Traded Products
- 動画・英語 The Plain Bagel(YouTube) Leveraged ETFs - Not The Return Cheat Code You'd Expect
解説動画: 【注意喚起】NISAから除外されている「レバレッジ型投資」のリスクを基本から解説します!/コアラ先生の時事ネタ祭り
なぜ今これを扱うのか: 株価の上昇局面で、その上昇を2倍・3倍にして取り込もうというレバレッジ型の商品が個人投資家の間で人気を集めている——その仕組みと危険性を掘り下げる回。NISAから除外されているという事実が入口に置かれている。
何と比べるべきか: まず土台としてインデックス投資が確認される。株価指数への連動を目指し、1つの企業ではなく市場全体に広く投資して経済全体の長期的な成長を取り込むもの。レバレッジ型はこれとは別物だという順序で説明が進む。
どれくらいの破壊力か: 指数連動と言いながら、実際には10億円を1円にしてしまうほどの破壊力を持つと表現される。使う人だけでなく使わない人にとっても、投資の中身を理解するという意味で知っておく価値があるという位置づけ。