J-REIT(不動産投資信託)

不動産・現物

値動き: 荒い / 換金: すぐ売れる / NISA: 対象になりうる

ビルの大家に、少額でなる

どういう商品?

投資家から集めたお金で、オフィスビルや商業施設、物流施設、住宅などを買い、賃料収入を分配する仕組みです。投資法人は物件を持つための箱で、実際の運用は委託を受けた資産運用会社が行います。その資産運用会社の株主(スポンサー)には大手の不動産会社が多く、親会社の物件を買うこともあります。取引所に上場しているので、株と同じように売買できます。数万円から始められます。

もうけと損の出どころ

もうけは分配金と売買での値上がりの2つです。投資法人が収益を増やす道は2つあります。物件を買い増して規模を広げる外部成長と、賃料を上げたり空室を減らしたりする内部成長です。外部成長は、借入や新しい投資口の発行で資金を集めて進めます。損の要因は、空室や賃料の下落、そして金利の上昇です。価格が下がると、同じ分配金でも利回りは上がって見えます。利回りが上がって見えても、売るときの値段が下がっていれば損は出ます。

コスト(どこで抜かれるか)

株式と同じ売買手数料です。REIT全体をまとめて買う投資信託やETFなら信託報酬がかかります。

税と口座

分配金は配当所得として扱われ、上場株式の配当と同じ区分で20.315%が源泉徴収されます。投資法人は法人税がかからない分、課税が分配金を受け取る人に回ります。投資法人からの分配金は配当控除の対象外です。確定申告で申告分離課税を選んでも、税率は同じ20.315%です。売却益には約20%(所得税15%・住民税5%)がかかります。NISA 成長投資枠の対象になりえます。

向かない人・注意

「不動産だから安定」ではありません。上場しているぶん、株と同じ市場で売買されます。2008年と2011年の危機を分析した研究では、J-REITの価格と市場のボラティリティに顕著な影響があったと示されています。資産運用業協会も金利変動リスクと不動産市場のリスクを挙げています。用途ごとに性格が違い(オフィス・住宅・物流・ホテル)、ホテルが厳しくなる局面もあります。1銘柄への集中は物件の集中でもあります。

出典

  1. 論文・英語 Miyakoshi T. ほか(2016) The impacts of the 2008 and 2011 crises on the Japan REIT market
  2. 公的機関 国税庁 No.1250 配当所得があるとき(配当控除)
  3. 公的機関 国税庁 No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度
  4. 公的機関 国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
  5. 資料 一般社団法人 資産運用業協会 J-REITの基礎知識
  6. 資料 一般社団法人 資産運用業協会 J-REITのリスク
  7. 資料 一般社団法人 資産運用業協会 NISA成長投資枠の対象商品
  8. 動画 PIVOT 公式チャンネル 【ゼロ知識でもわかるREIT】2億円タワマン購入のりんたろー。も興味深々。元J-REIT執行役員に学ぶ不動産投資信託の心得

解説動画: 「J-REIT」を3分の動画でシンプルに解説します【リニューアル版】/資産運用業協会チャンネル

少額で不動産の大家になる: 投資家から集めたお金をまとめ、専門家がオフィスビルや商業施設といった大型の不動産に投資して、賃貸収入や売却益を投資家に分配する商品。実物の不動産なら数千万円単位が要るところ、J-REITなら10万円程度から始められる、という対比で説明される。

手間とリスクの扱い: 物件選びも維持管理も専門の業者が行うので、投資家が直接管理する必要がない。また複数の不動産を保有するので、一部に空室が出ても全体収益への影響が小さくなるという分散の効果も挙げている。

解説動画: 若殿、J REITを知るの巻/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル

分配金が多い理由: 通常の株式会社は所得に法人税がかかり、次の事業に向けた内部留保も差し引いてから配当を払う。一方J-REITは収益の90%超を分配する仕組みになっている、と構造の違いが明示される。分配金利回りが高めになる理由がここにある。

手間がいらない: 投資の運用も不動産の管理も専門家が行うので、手間も知識もいらない。複数の不動産を保有するため、一部に空室が出ても分散でリスクが軽くなる。

売買のしやすさ: 証券取引所に上場しているのでタイムリーに売買できる。少額から始められる点と合わせて、実物の不動産との違いが整理されている。