不動産クラウドファンディング
不動産・現物
値動き: 中くらい / 換金: 換金しにくい / NISA: 対象外
1万円から、期間を決めて物件に出資する
どういう商品?
事業者が特定の物件を選び、多数の個人から1万円単位で出資を募ります。運用期間は数か月〜数年と決まっていて、家賃や売却益から分配されます。多くは優先劣後方式をとり、損失が出たときはまず事業者の出資分から減る設計です。2017年の不動産特定共同事業法改正で電子取引業務が制度化され、事業は拡大しています。国土交通省によると令和4年度の出資額は約604億円で、前年度の約2.6倍でした。
もうけと損の出どころ
予定利回りは年3〜8%程度が中心です。「予定」であって確定ではありません。優先劣後は劣後部分(たとえば全体の10〜30%)を超える損失が出れば出資者にも損が及びます。国土交通省のガイドラインは、クラウドファンディングの窓口となる事業者に、予定利回りの算定根拠が合理的かを審査するよう求め、元本の返還が保証されたものではない旨の開示も義務づけています。
コスト(どこで抜かれるか)
表向きの手数料は無料が多いですが、事業者の取り分は最初から利回りに織り込まれています。不動産特定共同事業法は契約前に交付する書面で、事業者の報酬の計算方法・支払額・支払方法・支払時期の開示を義務づけています。解約や組合からの脱退が認められる場合も、その手数料の開示が必要です。開示される報酬の計算方法は事業者ごとに違い、比べにくい点に注意してください。
税と口座
分配金は原則として雑所得で、総合課税・株式との損益通算不可です。税率は所得によって変わります。国税庁の通達によると、出資額の払い戻しとして受け取る分は「利益の分配」には含まれません。また、事業の利益にかかわらず一定額や出資額に対する一定割合で支払われる分配は、金銭の貸付けから生じる所得として扱われます。
向かない人・注意
途中解約は原則できません。運用期間中は資金が固定されます。事業者が破綻したときのリスクは、物件のリスクとは別に存在します。金融庁に登録の無い業者でないか、不動産特定共同事業の許可や金融商品取引業の登録を必ず確認してください。利回りの高さが人気の理由になっている商品は、常に警戒の対象です。ただし不動産特定共同事業法は、契約成立時書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフで契約を解除できると定めています。
出典
- 公的機関 国土交通省(2023) 不動産クラウドファンディングに係る実務手引書を公表します
- 公的機関 国土交通省(2026) 不動産特定共同事業法の電子取引業務ガイドライン
- 公的機関 国税庁 商法上の匿名組合契約に係る課税の取扱い(所得税基本通達36・37共-21の解説)