コモディティ(商品)

不動産・現物

値動き: とても荒い / 換金: すぐ売れる / NISA: 対象外

原油や穀物。持っているだけでは減ることもある

どういう商品?

原油・天然ガス・銅・小麦・大豆などの現物価格に連動する投資です。個人が実物を持つことはまず無く、個別の商品の先物を売買するETF・ETNや、複数の商品を束ねた指数に連動するファンドを通じて持ちます。ETFは現物資産や先物を裏付けに持ちますが、ETNは発行体の信用力を裏付けにした債券で、発行会社が破綻すると価値を失う仕組みです。

もうけと損の出どころ

価格の上下だけがもうけと損です。先物には期限があり、期限が来るたびに次の限月の契約へ乗り換えます。先の限月が高い状態(コンタンゴ)が続くと、現物価格が変わらなくても目減りすると説明されてきました。しかし米国の複数の大学の研究者らは2018年の論文で、1960年から2017年までの19種類の商品先物データを調べ、コンタンゴか否かでは長期の収益を説明できず、個別商品の期待超過収益率自体がほぼゼロに近かったと報告しています。

コスト(どこで抜かれるか)

信託報酬に加え、上記のロールコストが継続的に効きます。米国の単一商品ETFの経費率は、原油連動ファンドで年0.76%、天然ガス連動ファンドで年1.7%という例が論文で報告されています。商品指数に連動するファンドでは年0.75〜1.25%程度という調査もあり、株式の投資信託より高めになりやすい傾向があります。

税と口座

商品によって課税が異なります。国内ETFは上場株式等と同じ申告分離課税で税率は20.315%と、国税庁の資料に明記されています。一方、商品先物取引そのものは別区分の雑所得として申告分離課税され、ETFとは損益通算できない場合があります。ETN(上場投資証券)は分配金の扱いがETFと異なることがあるので、購入前に目論見書で確認してください。

向かない人・注意

インフレ対策として長期で持つ、という使い方は難しい商品です。短期の値動きは激しく、需給・天候・地政学で一気に動きます。米国の複数の大学の研究者が2018年に調べたところ、5年の運用実績がある単一商品のETF・ETN23本のうち、5年間でプラスだったのは3本だけで、8本は価値を半分以上失い、平均損失率は5年で37%でした。「インフレに強い」という説明だけで長期保有を決めるのは危険です。

出典

  1. 論文・英語 Scott H. Irwin, Dwight R. Sanders, Aaron Smith, Scott Main(2018) What Went Wrong? The Puzzle of Disappointing Commodity ETF Returns
  2. 公的機関・英語 FINRA Exchange-Traded Notes—Avoid Unpleasant Surprises
  3. 公的機関 国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)