外国債券

債券・預金

値動き: 中くらい / 換金: 満期あり / NISA: 対象外

高い利率の正体は、たいてい為替

どういう商品?

外国の政府や企業が発行する、外貨建ての債券です。日本より金利の高い国の債券は利率5%以上といった数字が並びますが、その金利差はいずれ為替に現れるというのが基本的な考え方です。為替予約でレートを固定する為替ヘッジを使えば、この為替の変動は避けられますが、BIS(国際決済銀行)の分析では、そのヘッジのコストは両国の金利差とほぼ等しくなると説明されています。

もうけと損の出どころ

利子に加えて為替が損益の主役になります。年5%の利子を得ても、円高が10%進めば円で見ると損です。新興国通貨建ての債券は利率が非常に高い代わりに、通貨が数年で半値になることも実際に起きています。両学長 リベラルアーツ大学(YouTube)は、1ドル100円のときに買った米国債が、満期時に1ドル50円の円高になっていれば、受け取る額は円換算で半分になる、という具体例で為替リスクを説明しています。

コスト(どこで抜かれるか)

為替の交換手数料が往復でかかります。個人向けに販売される外債は価格に販売側の取り分が含まれていることが多く、その額は明示されない場合があります。理論上は為替ヘッジのコストが両国の金利差で決まりますが、Du・Tepper・Verdelhanの研究は、2008年の金融危機後、この関係が銀行の規制などにより崩れたまま続いていると報告しています。BISの分析では、日本の生命保険会社のドル債ヘッジ比率は平均60〜70%です。

税と口座

利子と為替差益に課税されます。現地でも課税される場合は外国税額控除の対象になりえます。

向かない人・注意

利率の高さだけで選ぶのが最も危険な商品分野です。金利が高い国は、多くの場合それだけインフレが激しく通貨が弱いという事情を抱えています。為替ヘッジを付ければ為替の振れは抑えられますが、為替ヘッジコストが金利差ぶんかかるため、高い利率のうまみはほぼ消えます。Campbellらの研究は、1975〜2005年の米ドルやユーロが世界の株式と逆方向に動く傾向を示し、為替を完全にヘッジすると、この分散効果まで失われる可能性があると指摘しています。

出典

  1. 公的機関・英語 Claudio Borio, Robert McCauley, Patrick McGuire, Vladyslav Sushko(BIS Quarterly Review)(2016) Covered interest parity lost: understanding the cross-currency basis
  2. 論文・英語 Wenxin Du, Alexander Tepper, Adrien Verdelhan(2018) Deviations from Covered Interest Rate Parity
  3. 論文・英語 John Y. Campbell, Karine Serfaty-de Medeiros, Luis M. Viceira(2007) Global Currency Hedging
  4. 動画 両学長 リベラルアーツ大学 【初心者向け】低リスクで4%~5%の利息が狙える「米国債投資」について解説【株式投資編】:(アニメ動画)第444回

解説動画: 債券について教えます。【投資・運用するなら必修知識】/宋世羅の羅針盤ちゃんねる

利率を決める4要素: 債券の利率は通貨・期間・発行体・格付けの4つで決まると整理する。貸す側から見れば、返るまでが長いほど、相手が危ういほど、高い利子でなければ割に合わないという順に説明が進む。

通貨で利率は変わる: 4つのうち効きがいちばん大きいのは通貨だという。円建ての利子はごくわずかだが、新興国の通貨建てには年8%という水準もある。ただしその通貨自体の値動きが激しく、リスクも大きい。

不自然な利率を疑う: 円建てで年3%と言われたらまず疑えという。高すぎる予定利回りの裏には、格付けが極端に低いか、期間が極端に長いか、どこか別の場所でリスクを取っているかがあり、ハイリスクでローリターンの商品も逆も無いと結ぶ。