範囲と期日が決まった学びの組み立て。
資格や試験の学びは、範囲と本番の日が先に決まっている点で、ほかの学びと組み立てが違います。決める順番は、回せる量の見積り、同じ範囲へ戻る間隔、戻った日の練習の形の3つです。最初の見積りを、意気込んで立てた計画から逆算すると外れます。自分の課題が終わる日を予想させた一連の研究では、予想は学業の課題でもそれ以外でも楽観に偏り、過去の似た経験と結びつけて予想するよう指示された条件でだけ偏りが消えました(Buehler ほかの1994年の研究)。範囲を章や問題数に割る作業に分けて数える形で総量を出し、1章にかかった時間をかかった時間を記録する形で残してから、似た仕事の実績から見積る形で残りの日数を出します。最初の1、2週は、見積りの材料を集める期間と割り切ります。
次に、同じ範囲へ戻る間隔を本番の日から決めます。1,350人以上が事実を覚えた実験では、いちばんよく残る復習の間隔は、本番までの日数が延びるほど長くなりました。本番までの日数に対する割合で見ると、1週間後のテストで20〜40%、1年後のテストで5〜10%です(Cepeda ほかの2008年の実験)。1週間先の本番なら1日半から3日ほど、1年先なら18日から36日ほどあけて戻る計算になります。戻る日を先に暦へ置く手順は復習の間隔を決める、日をまたいで戻ること自体の効き目は間をあける練習の項目にあります。
戻った日には、教材を読み返すのではなく、閉じて思い出す練習をします。練習テストを受けた側が、読み直しを含むほかの条件より後の成績で上回ることは、多数の研究をまとめた分析で確かめられています(Adesope ほかの2017年のメタ分析)。小児科と救急の研修医で比べた試験でも、答えを返しながら2週おきにテストした範囲は6か月後の正答が39%で、同じ間隔で読み直した範囲の26%を上回りました(Larsen ほかの2009年の試験)。過去問は、本番の形のまま思い出す練習ができる材料です。解いたら答え合わせをするところまでを1回とし、外した問題は次に戻る日の先頭に置きます。一度解けた問題も、別の日にまた解けるまで覚え直しを重ねる形で残します。
やりがちな失敗は、最後の数週間を読み返しで埋めることです。読み返しはすらすら進むのでわかった気が上がりますが、本番で引き出す練習にはなりません。直前にまとめて詰める一夜漬けも、日をおいた測定では間をあけた学習に負けます。覚えたかの判断は解いた直後に下さず、覚えたかを後で見きわめる形で翌日以降の出来から決めます。3か月前から始めるなら、最初の2週で量を測り、残りの期間を、間隔の決まった戻りと過去問を使った思い出す練習で埋めます。
出典
- 論文・英語 Buehler, Griffin, Ross(Journal of Personality and Social Psychology)(1994) Exploring the "planning fallacy": Why people underestimate their task completion times
- 論文・英語 Cepeda, Vul, Rohrer, Wixted, Pashler(Psychological Science)(2008) Spacing Effects in Learning: A Temporal Ridgeline of Optimal Retention
- 論文・英語 Adesope, Trevisan, Sundararajan(Review of Educational Research)(2017) Rethinking the Use of Tests: A Meta-Analysis of Practice Testing
- 論文・英語 Larsen, Butler, Roediger(Medical Education)(2009) Repeated testing improves long-term retention relative to repeated study: a randomised controlled trial